このブログでもこの事故の直後から定期的に記事を書いてきました。
当時、JR西日本は営業を重視し安全面を軽視していました。
これは国鉄民営化以来の経営方針です。
そのことが事故の原因の一つであることは確かです。
ATSの設置が進まなかったことの理由は、利益に貢献できないことに投資はできないからです。
業務計画書をみても安全は軽視されていました。
なお、事故名については、新聞等ではJR宝塚線脱線事故と書かれますが、「JR西日本福知山線脱線転覆事故」が事故の重大さを表わしていると思います。脱線後に転覆しマンションに激突した事実を忘れてはいけません。
今回の原発事故を見ても同様です。経費がかかる安全策は敬遠されています。
私たちは同じような人災を繰り返しているのです。
以下に資料として朝日コム1月12日付記事を転載いたします。
107人が死亡し、562人が負傷した2005年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本前社長の山崎正夫被告(68)の判決が11日、神戸地裁であった。岡田信(まこと)裁判長は「現場カーブで事故が起きる危険性を認識していたとは認められない」と判断し、無罪(求刑禁錮3年)を言い渡した。
事故をめぐっては、山崎前社長の上司だった井手正敬(まさたか)元会長(76)ら3人の歴代社長が検察審査会の議決を受け、同罪で強制起訴されている。過失責任の構造は前社長の起訴内容と似ており、判決は年内にも始まるとみられる3人の公判に影響を与えそうだ。
山崎前社長は安全対策を統括する鉄道本部長だった1996年12月、事故現場カーブが半径600メートルから304メートルの急曲線に付け替えられ、翌春のダイヤ改定で現場を通る快速電車が増加するなどして事故の危険性が高まったのに、自動列車停止装置(ATS)の整備を部下に指示しなかったとして起訴された。
判決は「前社長は現場カーブの危険性やATS整備の必要性について周囲から進言を受けておらず、JR西には半径304メートル以下の急カーブが多数あった」と認定したうえで、ダイヤ改定も電車の運行に余裕を与えるものだったと指摘。前社長は96年12月の函館線の貨物列車脱線事故などから急カーブでの事故を予測できた、とした検察側の主張を退けた。
さらに「当時は脱線の恐れがあるとしてカーブにATSを整備していた鉄道会社は認められない」とし、前社長が多数のカーブの中から現場カーブを個別に指定してATSを整備しなかったことについても「大規模鉄道事業者の安全対策責任者に求められる行動基準を逸脱したとはいえない」と述べた。
遺族らは利益優先の企業体質が事故の背景にあると訴えていた。判決は「カーブでの脱線リスクの解析、ATS整備のあり方に問題があり、大規模鉄道事業者として期待される水準に及ばないところがあった」と述べ、山崎前社長についても「現場カーブにATSが必要と見抜く先見の明がなかったと非難することもできる」と指摘。しかし、前社長個人の刑事責任を検討するうえでの基準を緩める理由にはならないと判断した。(佐藤卓史)
当時、JR西日本は営業を重視し安全面を軽視していました。
これは国鉄民営化以来の経営方針です。
そのことが事故の原因の一つであることは確かです。
ATSの設置が進まなかったことの理由は、利益に貢献できないことに投資はできないからです。
業務計画書をみても安全は軽視されていました。
なお、事故名については、新聞等ではJR宝塚線脱線事故と書かれますが、「JR西日本福知山線脱線転覆事故」が事故の重大さを表わしていると思います。脱線後に転覆しマンションに激突した事実を忘れてはいけません。
今回の原発事故を見ても同様です。経費がかかる安全策は敬遠されています。
私たちは同じような人災を繰り返しているのです。
以下に資料として朝日コム1月12日付記事を転載いたします。
107人が死亡し、562人が負傷した2005年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本前社長の山崎正夫被告(68)の判決が11日、神戸地裁であった。岡田信(まこと)裁判長は「現場カーブで事故が起きる危険性を認識していたとは認められない」と判断し、無罪(求刑禁錮3年)を言い渡した。
事故をめぐっては、山崎前社長の上司だった井手正敬(まさたか)元会長(76)ら3人の歴代社長が検察審査会の議決を受け、同罪で強制起訴されている。過失責任の構造は前社長の起訴内容と似ており、判決は年内にも始まるとみられる3人の公判に影響を与えそうだ。
山崎前社長は安全対策を統括する鉄道本部長だった1996年12月、事故現場カーブが半径600メートルから304メートルの急曲線に付け替えられ、翌春のダイヤ改定で現場を通る快速電車が増加するなどして事故の危険性が高まったのに、自動列車停止装置(ATS)の整備を部下に指示しなかったとして起訴された。
判決は「前社長は現場カーブの危険性やATS整備の必要性について周囲から進言を受けておらず、JR西には半径304メートル以下の急カーブが多数あった」と認定したうえで、ダイヤ改定も電車の運行に余裕を与えるものだったと指摘。前社長は96年12月の函館線の貨物列車脱線事故などから急カーブでの事故を予測できた、とした検察側の主張を退けた。
さらに「当時は脱線の恐れがあるとしてカーブにATSを整備していた鉄道会社は認められない」とし、前社長が多数のカーブの中から現場カーブを個別に指定してATSを整備しなかったことについても「大規模鉄道事業者の安全対策責任者に求められる行動基準を逸脱したとはいえない」と述べた。
遺族らは利益優先の企業体質が事故の背景にあると訴えていた。判決は「カーブでの脱線リスクの解析、ATS整備のあり方に問題があり、大規模鉄道事業者として期待される水準に及ばないところがあった」と述べ、山崎前社長についても「現場カーブにATSが必要と見抜く先見の明がなかったと非難することもできる」と指摘。しかし、前社長個人の刑事責任を検討するうえでの基準を緩める理由にはならないと判断した。(佐藤卓史)