
何事においても自分自身を客観的にみることは難しい。
例えば、自動車運転です。
本人はまだまだ若い頃と変わらない運転ができると思っていて高齢者講習を受けてびっくりします。
危険予知力が低下、危険回避能力の低下が明らかになります。
もちろん、長時間運転や夜間運転も苦手になります。
運転は多くの情報を主に視覚から取り入れ、瞬時に判断し行動に移す必要があります。
マルチ的な能力が要求されます。
ところが加齢とはマルチ的能力が苦手になることなのです。
脳の回路が複々線から複線へ、さらに単線へと縮小しているといっていいでしょう。
そのような状態で運転していることのリスクと、高齢の登山者のリスクは似ていると思います。
このことは強調されるべきです
もちろん、山に登るのは個人の自由です。
では、そのリスクを低減するためになにをすればいいのか。
人間は自分自身を知ることはとても苦手ですが、それを何とかしなくてはなりません。
自分自身(の限界)を知るには、皮肉なことにその限界に近づく必要があります。
当然リスクが増します。
そのリスクを低減するのはグループ行動しかありません。
サポートする人がいればいいのです。
高齢者は特に単独行をしてはいけません。
安全な登山には他者の目が必要なのです。
そして同行した人から忌憚のない意見を言ってもらうことです。
高齢者が若い人から意見されることは気が進まないでしょうが、
聞く耳を持つその度量は持ち合わせたいですね。
こうしてやっと自分自身が客観化できるのです。