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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

フィンランド人とカラオケ

2009-11-22 16:13:49 | 
フィンランド人の自己評価は、寡黙な国民。悪くいえば話べたです。

ミンナ・シルク議会議員は、
「のろまで内気で愚痴っぽくて不機嫌は、フィンランド人の伝説であり、今も世界中で生きている」と
『フィンランドを世界一に導いて100の社会改革』の中で書いています。
しかし、この伝説は真実ではないとも。
過去20年間の偉大な発明により、国民の生活は変わったといいます。

その発明とは、携帯電話とカラオケだそうです。
「伝統的は声を出してはならない公共空間である道路、バス、列車は今日では一人で
しゃべっている市民で一杯になりました」。

えーホントですか。
昔々、フィンランドに旅行した日本人が異口同音に話したのは、電車の中の静けさです。
皆さんおやすみかな、と顔を見ると、ぱちりと目を開けていましたと。

「このように私たちが話をできるようになったのは携帯電話のおかげです。
しかし感情を出すには至りませんでした」。

その感情を出すことができるようになったのは、
「人前で感情を表すことをタブーとするもう一つの民族である日本人が感情を隠す仮面を
顔から剥がし取る装置を発明したことは、まさしく神の思し召しです」
もちろん、カラオケのことですが、「カラオケの世界は、灰色の雀をカラフルな孔雀に生まれ変らせた」とのこと。

カラオケにそのようなグローバルな効用があったとは驚きました。
ちなみに、ミンナ・シルク氏は、議会カラオケクラブ会長とのこと。
この本は、大統領が「刊行によせて」を書いているのですが、軽い?話も読ませます。
例えば、97章「日常のエロティシズム・フィンランド人の性生活」というタイトルには
妄想をたくましくしますが、いたってまじめな世代論です。
書いているのも大学の社会学者です。

このユニークな本を誰がどうしてを編集したか、興味深いですね。

編著者のイルッカ・タイバレさんを次回に紹介したいと思います。

※写真は京都・美山町にて。

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