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昨日~今日の十勝方面出張で、上士幌町を訪ねました。
昨年帯広でキャンプをした際にちょうど熱気球大会があったので、熱気球に乗ったのとついでに釣りをして以来です。(ちなみに2018年には音更川上流の糠平ダム湖でワカサギ釣りをしたのと、糠平温泉に泊まってタウシュベツ橋の見学をしています)
役場訪問の道すがら、「道の駅かみしほろ」の看板を見つけました。
(ん?上士幌町に道の駅ってあったかな?)
似たような名前の隣町士幌町に道の駅「ピア21しほろ」があるのは知っていましたが、上士幌町に道の駅はなかったはず。
しかしちゃんと道の駅の道路標識とともに、国道241号線沿いに新しい建物と駐車場がありました。
第一印象は(随分洗練された建物だなあ)というもの。
広い駐車場へ車を止めて中に入ってみると、建物のデザインもサインなどもとてもセンスが良いことに感心しました。
建物に入ると左側には24時間対応のトイレがあり、右側のショップにはスイーツショップ「The SANDO」、十勝の食材を使ったテイクアウトフードショップ「UC STAND(ウーシースタンド)」、都会的なパン工房の「トカトカ」、お土産ショップ、そしてレストラン「La Table de KAMISHIHORO(ラ ターブル ドゥ カミシホロ)」があります。
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まずそれぞれのお店のデザインレベルが高いことに驚き、さらにお土産コーナーにもしっかりと地場の材料を生かした商品群が並んでいます。
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観光地によくある「地元の名前の付いたクッキーを買うと製造元は札幌市西区だった」ということがありません。
せっかく上士幌・十勝にきたのだからこの土地のものを買いたい、というお客のニーズと心をがっちりつかむでしょう。
私も地元上士幌産の牛乳があったのでこれを飲んで一休み。酪農王国でも案外地元の牛乳って飲めないものですが、ここにはちゃんとありました。
平日にもかかわらずお客さんも賑やかで、観光客のついで立ち寄りというよりもまず地元の人たちが楽しんでいるという印象です。
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お店の方に伺うと「初めは5月オープンの予定が少し伸びて6月にオープンした」のだそう。地域の観光拠点としても上質な道の駅です。
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そもそも道の駅は制度が始まって私が担当した2005年当時の初期の頃(第1ステージ)は『道路利用者のサービス提供の場』としてスタートしました。
ドライバーのための、安心できる24時間トイレ施設をベースに地域の産物や情報を提供する拠点があると良いのではないか、という発想の施設です。
それが、コンビニの発展と隆盛とともに、トイレだけでは魅力にならなくなり、逆にそ『道の駅自体が目的地』(第2ステージ)はとなり、「道の駅グルメ」を楽しむようなところが増えました。
そして現在、国土交通省では2020年~2025 年を道の駅第3ステージと位置づけ、『地方創生・観光を加速する拠点』及び『ネットワーク化で活力ある地域デザインにも貢献』をコンセプトに、“「道の駅」を世界ブランドへ”、“新「防災道の駅」が全国の拠点に”、“あらゆる世代が活躍する舞台となる地域センター”の3つを目指す姿として取り組み始めているのですが、まさにここはその代表的な事例と言えるでしょう。
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道の駅に感心した後で上士幌町役場の竹中貢町長さんをお訪ねしたところ折よく会ってくださって少しの間お話を聞くことができました。
竹中町長さんとはもう十数年のお付き合いですが、最初の頃から前向きかつ精力的な方で、今回の道の駅もかなり町長の熱い思いが込められています。
「道の駅を見てくれましたか。なかなか他にはない感じでしょう?」
「いや、ここへ行こうと思わせてくれる観光施設になっていますよ。ショップにも地元産のお土産の品ぞろえがあるので、そういう陰の努力も立派です」
「はい、やっぱりあの手の施設は稼げないとだめだと思っていましてね。あの道の駅を管理運営しているところにはナイタイ牧場の運営もやってもらっていて、いずれDMO(Destination Management Organization = 観光地域づくり法人)にしようと思っています。今はね酪農から出る糞尿を使ったバイオマス発電で電力事業もやっているんですよ(笑)」
「それはすごい!」
「道の駅も、そこでの売り上げも期待したいけれどやっぱりまちなかとの一体感が必要なので、まちなかのお店に行けばあるようなラーメンだとか、そんなものはやっていません。それにうちは熱気球の町として売り出しているので、道の駅の裏では主に週末を中心に熱気球体験もできるようにしているんですよ」
そうだ、上士幌町はふるさと納税でもずいぶん有名になった町でした。
「竹中町長、今でもふるさと納税には助けられているんですか?」
「はい、ありがたいことに年間10億円くらいは皆さんの気持ちを寄せていただいています。最初の頃の全国3位なんていう勢いはありませんが、落ち着いた感じになっていますよ」
すると竹中町長は「そうだ、これを差し上げますよ。うちの話がよくまとまっていますから」と言って一冊の本をくださいました。
みると「ふるさと創生 北海道上士幌町のキセキ」という本です。
驚いたのはその著者が黒井克行君だったこと。
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「なんだ黒井君じゃないですか(笑)」
「え?知っている人なの?」
「高校の同期生ですよ。スポーツライターとしても活躍していましたけどね。そうかこちらにも来ていましたか。懐かしいなあ」
「しょっちゅう来ているから、今度会ったら小松さんのことを伝えておきますよ(笑)」
人口5千人、一時は若い女性の数が少なくて「消滅都市」の一つにも数えられた自治体でも、これくらいのことはできる。
エネルギーとアイディアのある方と話をしているとこちらも元気が出ます。
牛乳美味しかったしなあ、またキャンプに行こう。
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