北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

奥さんからの無言のクレーム「うるさい!」

2020-09-03 23:39:05 | フライフィッシング

 

 都市計画学会北海道支部の会合がありました。

 秋にいろいろな研究成果の発表会を行うのが年間事業の一つで、このコロナ禍の中どのようなやりかたをするかについて意見交換をしました。

 昨年までは狭い部屋に人が密集するポスターセッションという研究発表の形があったのですが、今年はそれは止めようと。

 そしてやはりリモートで、一人10分程度の発表と意見交換を行う方向で行こう、と意見がまとまりました。

 リモートなら発表者も同じ場所に集まらなくても良いし、聴衆もリモートで聞けばよい。

 今日的な一つの形に納まりそうです。


     ◆


 会合の後は気の合う仲間たちのいつものように飲み会へ繰り出します。

 会合では意見がまとまって、それはそれでよかったのですが、やはりその後には「飲み会」という話しきれなかった後の情報交換が有用です。

 今日はリモート会議についての話題で盛り上がりましたが、一人の大学の先生が「うちでリモート飲み会をしたんですが、普段は滅多に会えない友人たちと会えたのでとても盛り上がりました。ただ、お酒が進み過ぎました」と言います。

「どうしてお酒が進むんですか?」
「それは二十人くらいの会合でも、一人が話す内容を聞いていなくちゃいけないので、手持ち無沙汰になってつい自分のグラスにお酒を注いでしまうからなんです」

 お酒は控えめにした方が良いようです。


   ◆


 するとその先生は続けて、「うちは嫁さんからカンペが入りました」と言います?

「カンペってなんですか?」
「よくテレビ番組で、カメラのこちら側のディレクターがタレントにしゃべってほしい言葉を画用紙に書いて見せているじゃないですか。それの家庭版です」

「どういうこと?」
「いや、リモート飲み会をしていたらつい話が弾んで笑い声が大きくなったり、話す言葉が下卑たものになったりするんです。こんかいもそんなことで大きな声を出していたら、うちの妻が画用紙に「うるさい」と書いてこちらに見せたんです。声を出して注意をせずに紙に書いて見せてくれたあたりは妻のセンスの良さだと思いますが、自宅でリモート会議をしていると周りが見えなくなったりしますね」


 北海道大学では前期に引き続いて工期の授業もリモートでやることが決定したのだそう。

 大学の先生たちの負担も相変わらず軽減されないままです。

 ただそもそも小中高の学校はもう対面授業が解禁になっているのに、大学がいつまでもリモートというのもずいぶん怖がりだなあ、という印象。

 周りに迷惑をかけないリモート会議での振る舞いも、だんだんに身についてくるのでしょうか。
 
 

 

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抗菌マスクケース ~ 献血でいただきました

2020-09-02 22:51:33 | フライフィッシング

 

 先日献血に行った際に「ポイントがたまっていますがなにか記念品と交換しますか?」と尋ねられました。

 献血事業を行っている日本赤十字では、複数回献血者に対して都度ごとにポイントを付与してポイントがたまると記念品と交換できる「複数回献血クラブ ラブラッド(Love Blood)」を設けています。

 このクラブに登録されるのには条件があって、「血液センターからの協力要請を受けますか」という問いに「はい」と答えているとか、連絡の取れるメアドを持っていることなどで、献血に対して前向きに協力する人が対象です。

 この手の記念品はあまり良い物がないのが常なのですが(失礼)、今日目に留まったのが
「抗菌マルチケース」とありましたが、マスクのケースにも使えそうなマルチケースでした。

「これは何ポイントで交換できるのですか?」
「今42ポイントたまっていますが、この品は20ポイントです」
「じゃあこれください」

 献血だけあって赤と白色が基調ですが、大きさはちょうどマスクが入る大きさ。

 開けてみると薄いものを挟む部分が3か所あって、ちょうどマスクを保管しておくケースがないものかと探していたところだったので、良いものをいただきました。

 献血もコロナで一時はドナーが減っていたのが、今はようやく元に近いくらいに戻ったとか。

 献血でポイントを貯めてみましょう。 

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子供たちの病院に壁画を ~ 芸術家の友人のお仕事

2020-09-01 22:33:14 | フライフィッシング

 

 僕の友人のなかにはいわゆる「芸術家」として芸術活動で身を立てている人が何人かいます。

 そんな友人たちの中で、絵を描くことを生業としているのがサカイ君。

 絵の芸術家というと、絵を描いてそれを売るか、絵を教えるかするくらいしか報酬を得る手段が思いつかないのですが、サカイ君が携わっているのが建物の内部に絵を描くという仕事です。

 コロナ禍で芸術家の皆さんの多くが困っているでしょうけれど、サカイ君もコロナ自粛中にしていたことは、絵を描くことと各種の協力助成金の申請だけだったとか。

 そんななか、東京都の「アートにエールを!」というプロジェクトでは『動画を作って提出せよ』という条件がついていたそう。

 で、「それなら、後々のプレゼン資料にもなるか」と考えて、これまでの病院・療育関係の壁画仕事の10年分を5分ほどにまとめた動画を公開したという報せがありました。

 病院の壁なんてただ白いだけ、と思っていたけれど、実は気がつかないだけで落ち込んだ気分を和ませる病院側の気遣いもあったのかもしれません。

 動画のタイトルは「こどもたちの病院に壁画を…」。

 病と闘う子供たちの中には天に召される子供たちもいますが、そんな子たちが最後に通るある病院の廊下は「お見送りの廊下」と呼ばれて動物や鳥たちが見送りに加わってくれています。

 芸術家の皆さんの仕事はこんな風に気がつかないことの方が多いことでしょう。

 でも誰かに見守られている雰囲気を感じたら、そこには芸術家の皆さんの才能と時間をかけた作品があるかもしれません。

 芸術は心のオアシスですね。できれば大きな画面で見てあげてください。

 サカイ君に最後に運ばれてゆくのは同級生の「坪ちゃん」でした。

 ◆「子供たちの病院に壁画を」 by サカイトシノリ×原田和香

  https://cheerforart.jp/detail/3707

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「3Dセキュア」ってなあに? ~ ネットショッピングの新たなセキュリティ

2020-08-30 19:13:19 | フライフィッシング

 私のノートパソコンは、もう6年以上前のwindows8時代の機種です。

 頑張ってwindows10にアップグレードしてみたものの、動き始めるまでに以上に時間がかかるのと動きがおぼつかなくなってきたりして、さすがにもう限界が近いと判断。

 今回も使い慣れた同じメーカーのところへ注文することにしました。

 最新機種をベースにしつつ、メモリとストレージを強化した構成にして「購入」にすすみ、クレジットカードの情報を入力してポチッ。

 ネットの先ではちょっと時間をおいて…あれれ? 「このカードでは購入できません」と返ってきました。

(おかしいなあ)

 カード番号や名前を入れ間違えたかと思い、慎重にマスを埋めて再度ポチッ…やっぱりだめです。

(うーーん…)

 改めてこのパソコンメーカーのクレジットカードでの購入条件を熟読してみると…「あれ? 「3Dセキュア非対称のクレジットカード・デビットカード等はご利用いただけません」と書かれていますが、「3Dセキュア」ってなんだろう?

 今度は自分のクレジットカードのサイトを見てみたところ、3Dセキュアというのは本人認証サービスのことで、私はまだ登録をしていませんでした。知らないんだから当然です。

 で、この3Dセキュアの本人認証というのは、クレジットカード情報に加えてさらに別のパスワードを設定するというもの。

 考えてみたら、買い物をするときのクレジットカード情報って、16桁の番号と有効期間、名前そしてセキュリティコードなので、もしもこれらが知られたら悪意のある第三者にネット詐欺にあうこともありえます。

 そこでさらに別のパスワードを作ることでもう一段階のセキュリティ強化をしようというのです。

 どうやらこのパソコンメーカーでは、この3Dセキュアを設定しないと買い物ができないシステムになっているようで、それが購入できない理由なのかな。

 そこでカードの3Dセキュアの新しいパスワードを設定して、再度購入手続きをしてみると…、おお!ちゃんと購入手続きができました。やっぱりこれだったか。

 これからはネットショッピングサイトも、3Dセキュアによるもう一段のセキュリティを強化した形になってゆきそうです。

 皆さんはもう3Dセキュアに対応していますか?

 ネットショッピングはご安全に!

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稚内の未来の「幻のお土産」

2020-08-28 23:50:39 | フライフィッシング

 今回の稚内旅では、以前稚内にいたときにお付き合いのあったY建設(株)というところのK社長さんを訪問しました。

「突然すみません、お久しぶりです」

 するとそのK社長さんは「いやいや、Facebookを見ていて『ああ、今日は稚内に来ているんだなあ』と分かっていたんです」とおっしゃいます。

 そして「実は渡したいものがあって、(どうやって渡そうか)と思っていたところだったんです。ちょうどよかった(笑)」と言って一本のお酒を奥から出してくれました。

「これはなんですか?」
「実は『勇知いも』を使った芋焼酎なんです」

 勇知いもというのは、稚内の勇知地区で取れるジャガイモ(男爵いも)なのですが、利尻富士を西に構える地域はその気候からなのか甘くて美味しいと評判。

 さらにこのK社長さんはその勇知いもを雪氷の冷気を使って長期保存することでさらに芋の甘みが増すという事業にもう何年も取り組んでいるのです。

「いわゆるジャガイモ焼酎というわけですね」
「そうです。で、そのジャガイモを鹿児島の枕崎市にある醸造所へ持ち込んで焼酎にしてもらいました」

「ジャガイモの芋焼酎だったら北海道内の清里町にもありますよね」
「ええ、でもどこの醸造所でも良くてただお酒にするんだったらつまらないでしょ。というのも、枕崎市は稚内市との姉妹都市なんです。なので姉妹都市同士の力を合わせて一つの商品を作ろうということで、枕崎市とタッグを組むことにしました」

 ところが、芋ならなんでも焼酎になるかと思いきや、勇知いもは一般的に薩摩焼酎にするサツマイモよりも粘り気が強くて機械に入れるとくっついてしまい、醸造所はかなり作るのに苦労したのだそう。

 でもようやくできたということで私も試飲用にいただいてきました。

「すばらしいですね。それでこれは市内のどこかでもう売られているんですか?」
「いえ、まだ量が作れていないので来年あたりからの販売を考えています。だからラベルもまだ適当です。でも飲んでみてぜひ感想をお聞かせください」

 
 地元の農産品に様々な付加価値をつけて売るというのは農林水産生産地のこれからの有り様の一つです。

 そもそも勇知いも自体、それほど量が取れるものではなくて引き合いが多いのですから、それでつくる焼酎となるとさらに「マボロシ感」が強くなりそうです。

 幻の焼酎としての付加価値がさらについたりすると面白そう。

 来年以降稚内のお土産処で見かけたら要チェックです。

 

 

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編集作業の悩み ~ 昔あるあるの是非

2020-08-24 23:51:21 | フライフィッシング

 

 ある会報の編集作業を担当しています。

 原稿は作者の意図を大切にする編集方針で、文章にはできるだけ手を入れず修正は誤字脱字程度に留める、ということとしています。

 ところが出てきた原稿を一読しているとたまに「これは…いいのかな」と悩む内容のものがあります。

 それは、もう40年~50年前のことながら、「賭けマージャンで先輩にだいぶやられた」とか、現代ならいじめにあたるような厳しい仕打ちを受けた・与えた、というようなこと、さらには柿泥棒のようないたずらっぽい出来事などです。

「賭け事も『いくら払った』と書いてないからいいのじゃないか」
「40年も前の事なら、『当時はそういう時代だったねえ』というもう歴史上の史実ですよね」
「柿泥棒はサザエさんの漫画でも、叱られているシーンが描かれている」

 そんな意見を出しながら結局は作者の書いた内容を尊重することがほとんど。

 現代の価値観で過去のできごとを判断してはいけない、とは思います。

 でもそんなことを反省するとか、悲しいと振り返るのなら納得もできるのですが、まるで武勇伝のように自慢するのはちょっと違うかな。

 後々評価を受けるのはあくまでも書いた方本人なのですが、編集担当としてはちょっと悩む途中作業なのでした。

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キャンプの後はやっぱり釣り~痛恨の一バレ

2020-08-23 23:30:54 | フライフィッシング

 

 週末キャンプのまとめその2です。

 夜のダム湖畔は本当に寒くて、床面に銀マットを二枚敷いたものの、シュラフにインナーを入れただけでは体が冷え冷えしてしまいます。

 危険な暑さのところにお住まいの方には避暑をお勧めします。

 朝はホットサンドとウィンナーとコーヒーで軽く済ませ、素早く撤収…と行きたいところですが、我が家のキャンプは荷物が多いのが難点。

 これからの釣りができるように荷物を積んでからキャンプ場を出発し、ダムにそそぐ川を調査して歩きます。

 最初に目をつけていた川には既に先行者がいてこちらは残念。

 それでは、と別な川の近くに車を走らせていると二人連れのフライフィッシャーが道路を歩いていたので状況を聞いてみました。

「これからですか?」
「いえ、今終わったところです。なんだか水が少なくて駄目ですね」

 そう言われても、渓相は良いこちらの小河川。

 二人連れよりも下流域で水量の多いところを狙って入渓ポイントから釣り開始。

 案の定、それほど魚の多い川ではありませんが、たまに食ってくるのはイワナ、ヤマベ、そしてニジマス。

 今日の会心の一投は木の根元を洗う流れをもった淵の奥でした。

 何度も狙いを定めて根気よくフライを投入してみましたが、10投目くらいのときに「(狙い通りに)入った!」と思ったその瞬間。いい大きさのニジマスががばっと現れてフライを食ってくれました。

 フッキングも十分深く、かなり跳ねたり走ったりと暴れましたが手ごたえは十分。

 慎重に手繰り寄せていよいよあと少しで網に入れられる…と思ったその瞬間…、バレました。

 せっかくGoproを持参したのにこの瞬間は動画なし。

 証拠が何も残っていないのですが、本日の「痛恨の一バレ」として記録にとどめておきます。

 結局魚は釣れませんでしたが良い渓相で十分に涼を味わいました。夏の釣りの醍醐味です。


    ◆


 札幌への帰り道ではいつもそば研究会でお世話になっている、奈井江町の「からまつ園本店」さんを訪問。

 久しぶりにプロの手によるてんぷら蕎麦をいただきました。

 ご主人の佐藤さんに伺うと、「ゴールデンウィーク頃が最低でしたが、今は大体2割減で済んでいます」とのこと。

 前を通るときにはお蕎麦をいただいて元気を取り戻しましょう。

 
 帰りがけにいただいたのは来店御礼を告げるポストカード。

「これも蕎麦研会員の女性に書いてもらったんですよ。コロナの今でも忙しいって笑っていましたよ」

 元気のためにはお金を回すことですね。

 今日も心地よい疲れが襲ってきています。
 

 

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岩尾内湖(士別市)白樺キャンプ場でなにもしないキャンプ

2020-08-22 21:40:13 | フライフィッシング

 

 週末は道北の士別市にある岩尾内湖白樺キャンプ場でキャンプ。

 岩尾内湖は岩尾内ダムによってできたダム湖で、その岸辺に士別市によってキャンプ場が整備されています。

 事前に現地の管理所へ電話をして情報を仕入れてみると、

①料金は無料
②入退園の門限もなし。ただし管理人は9時~5時
③キャンプ場は車の侵入も自由で入れるところで自由にテントやタープを設営可能。
④水場は二か所でトイレは管理棟の一か所のみ
⑤湖はカヌー、カヤックも可能だが特に日曜日はジェットスキーの愛好家が押し寄せてくる、とのこと。

 これらを総合して、土曜日の朝に札幌を出発。

 午前中にタープやテントを設営して余裕があればカヤックをし、日曜日は撤収&渓流釣りで帰る、というゴールデンプラン。

 現地までは結構遠くて、高速道路で愛別ICまでゆきそこから道道で北上というルートで、現地到着は10時。

 広い駐車場を起点にしてここから車の走れる園路が輪になっていてそこからさらに林の中へ車を自由に入れることができます。

 到着した時点で既に数十組がテントを張っており、好天の週末に無料のキャンプ場とあればキャンプをしたい人たちは多いことでしょう。

 管理棟は思ったよりもずっと立派で、トイレの他にランドリーとコインシャワーのサービスもあります。これでキャンプ場利用が無料とは恐れ入ります。

 さて「自由にどこでも設営してよろしい」というのは案外迷うもので、平らな面や水場・トイレからの距離、お隣さんとの距離感などを総合して設営場所を決定。

 今回は夫婦ながら一人は車中泊で一人は借りた簡単に設営できるテントでの就寝を試します。

 テントやタープの設営は1時間くらいで終わったのですが、湖の湖面が下がっているのであまり良い風景でもなく、風もあったので今回はカヤックはやめにしてひたすらまったり過ごすことにしました。

 いつもは釣りやカヤックなどのアクティビティをいれがちなので、なにもしないキャンプというのは実に久しぶりのこと。

 でも天気も良いし、早めの夕食で焚火を楽しみ、他愛もない夫婦の会話をしていると、なんとも良い時間が過ぎてゆきます。

 明かりが少なくて暗いので、都会とは違って冷え込んできた夜は満点の星。

 朝方は寒さで目が覚める北海道のキャンプ場。

 本州の猛暑が信じられません。ご自愛ください。


 

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高校生に地域への関心をもたせたい ~ 高校の授業もそうかわる

2020-08-21 23:40:54 | フライフィッシング

 

 再来年度の2022年度から高校の学習指導要領が大きく変わります。

 各科目ごとに大きな変更があるのですが、そんななか「地理」という科目は今までの「地理A」「地理B」という区分から必履修の「地理総合」と選択の「地理探求」に変わります。

 そしてこの必履修の「地理総合」では、内容構成として「A 地図や地理情報システムと現代世界」,「B 国際理解と国際協力」,「C 持続可能な地域づくりと私たち」の三つの大項目で構成されます。

 文字面だけを見ると大変な内容ですが、この中身をつらつらみてみるとそれは「地域の課題を自らみつけてそれを分析して解決の提案を行う」といったイメージが含まれていて、それはこれまで都市計画学会が研究を行ってきたまちづくり分野の調査研究に非常に近しいジャンルであることがわかります。

 そしてこうした地域の問題に関心を持つような授業が行われるのであれば、それを少しでも充実させて学習効果を高められることができれば、将来の地域を支える人づくりにつながるものと、期待と希望があります。

 そこで都市計画学会では、こうした高校での地理総合授業に何らかの形で関わりを持って何か役に立てないか、という活動を始めています。

 私も支部長として、北海道における地理総合を通じたまちづくり授業には非常に期待が大きく、学会支部としてできることを模索しています。

 
     ◆


 そんなときにある友人から、「小松さん、しかしそれはこちらができることを提示するだけじゃなくて、まずは高校の先生の話を聞いて、そこから何が必要かを絞り出すことが始めなんじゃないか。しかも全道で一斉に動きが起きるわけでもないから、こうした我々のイメージを理解してくれる先生を見つけ出して、協力し合えるような成功事例を作ることが大事だと思うよ」というアドバイスを受けて、すとんと腹落ちした次第。

 そんなことから先日人づてにある高校を訪問して、その高校での現在の活動からこれからについての話を伺ってきました。

 すると話を聞いてくれた先生は開口一番「小松さん、高校には入ってくる子たちのレベルという現実がありますよ」と言い出しました。

「偏差値で言うと、大体55以上の子たちは黙っていても勉強はできていきます。偏差値が45~55の子たちは教師も一番燃える層です。ここに学習成果を上げれば上のステージに上がることができる可能性があります。
 しかし45以下で入ってくる子供たちは正直言って大変です。日本の教育の現実として、小学校・中学校の指導要領が求める力量に達していなくても卒業して半分義務教育化した高校に入ってきます。

 そしてうちはまさにそういう子たちが多い高校です。
 ところが高校の教師は高校レベルの授業をすることが求められるので、力が不足している子供たちは勉強についてこれなくなり、うらぶれてしまうということも多いのが実際の姿なんです」

 非常に厳しい見方ですが、これが現代社会のある一面でもあるのでしょう。

「我々高校側は、その現実からスタートして彼らに3年間という決められた時間の中でスキルとモチベーション、あるいはこの両方を高めるようなことが求められています」

 大変なことはよくわかります。しかしこの高校ではそんな現実からスタートしても子供たちに様々な体験をしてもらうことを通じて、地域社会に触れて地域から可愛がられ、自己肯定的になるよう促すユニークな教育を行っていました。

「私たちの高校では、地域の活動に生徒たちを送り込んで地域に触れさせそこから自分たちが何を感じるかを大事にしています。でもそれには敵がいるんです」
「敵とは何ですか?」
「クラブ活動です」「クラブ活動?」

 クラブ活動では特に指導を行う指導者にとっては子供たちがクラブ活動に熱中することを求めることが実に多い。

 そのため「地域活動に行きたいのでクラブを休みます」という子供たちを頭ごなしに否定する指導者は多いことでしょう。

 しかし子供たちが自ら「自分たちは今この瞬間何をなすべきか」を考えて決断することこそ真にせいちょうするということに他ならないはずです。

「うちの高校では最近になってようやく、そうした生徒の判断を尊重する空気が生まれてきました。そして子供たちも地域活動を通じて著しく成長する子たちも増えてきました。子どもたちのその本気に繋がるのは『出会いと原体験』なんだと思います」

 「出会いと原体験」に誘い、それを繰り返すことで子供たちの成長を促すという教育方針は実に立派だと感じました。

 実際こちらの高校では、我々都市計画学会がイメージしたような地域に出張ってゆく活動を日常的に行っています。

 こういうところと連携をして、その学習効果をさらに高めるような支援やお手伝いをするにはどういう道筋があるのでしょう。

 まずはこれからも高校の話を聞きながら活動のイメージを固めてゆく必要がありますが、私自身もこうした現場のリアルな話が聞けるのはすばらしい「出会いと原体験」に他なりません。

 今回は元気が出る話を聞けましたが、さて次はどんな現場の姿を目の当たりにすることでしょう。

 高校生たちに自分たちの町や地域に関心を持ってもらうことへのお手伝いの仕方を模索しています。
  

 

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現実とゲームの狭間

2020-08-19 23:39:30 | フライフィッシング

 

 私の職場で働いている同僚の女性との会話。

「夏休みの間は何をしていたの?」
「それが聞いてください。家に遊びに来ていた甥っ子と公園に遊びに行ったんです」

(ほほう、アウトドアだねえ)

「そうしたら蜂が寄ってきて二人にまとわりついて離れないんです。『うわー、刺されそうで危ない、ダメだ』と思って家に帰ってきて、それから今はやっているゲームの『あつまれどうぶつの森』(通称:あつ森)を始めました」

(なるほど)

「そうしたらゲームの中で木をゆすっているときに蜂が出てきて刺されて目が腫れました」

「なんじゃそりゃ!」

「それからが大変だったんですよ、薬を作るのにハチの巣が必要で…」

 
 どうせ刺されるんだったら公園で刺されんかい!と叫ぶところでした。

 いまやアウトドアもゲームの中とは時代は変わったなあ(笑)  

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