北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

世界を旅して分かること

2014-11-17 23:36:04 | Weblog

 

 ある先生との勉強会の後の懇親会で、世界の旅についての話題になりました。

 旅をしていると外から日本を見ることになりますが、そうすることで日本の常識と外国で出会う場面とのギャップを強く感じるのだそうです。

 一緒に飲んでいた知人は、「中東のある国では、お札を取り換えられる詐欺に会いました」と言います。

「お札を取り換えるってどういうこと?」
「例えばタクシーで、料金が3千円のところを5千円札で払うじゃないですか。そうしたらタクシーの運ちゃんが手品のように五千円札を千円札に素早く取り替えて、『これは千円だからあと2千円くれ』ってなことを言うんです」

「それほんと?犯罪じゃないですか」
「それが最初のうちはあまりに手際が良いので気が付かないんですよ。さすがに何回もやられるうちに(なんだか変だぞ…)と気が付きますよね。そこで最後にはお金を払うのに、相手の手を掴んでお札を手に握らせるところまでやったんですが、それでも札を取り換えようとしてぐにゅぐにゅやってましたからねえ。いやあ気を付けないといけません」

 ひどい話もあったもんで。

「ひどい話ついでに、イタリアの銀行では両替の時に札をカウンターの陰で何枚か落として、足りないまま渡すなんてことが当たり前ですから注意してくださいね」
「それもまたひどい。銀行でしょ!?」

「足りない札を渡してくれたら素知らぬ顔で席を離れていきますからね」
「そんなときはどうするの?」

「言葉は通じませんが、『おーい!おい!』みたいなことを叫んで『札が足りない!』と言ってやっとのことで取り返しました。いやはや大変です」

 それが当たり前とは思いたくありませんが、こういう話を聞くと、「お客さん!お釣り、お釣り!」と足りない10円玉を持って走ってくる店員さんを見ると感動するんでしょうね。


       ◆  


 大学の先生の方は、「私は技術支援でブラジルに行っていたんですが、あるプロジェクトで、『A国とB国ではこういうやり方で成功したので、それで行きましょう』と言うとまずそのやり方は採用してくれませんでした」

「なぜですか?」

「他の国でやったことがあるやり方をまねるよりは、まだやったことのないやり方でこの自分が初めて成功させるということの方に価値を感じるようなんです」

「へえ」
「こうやるとうまく行ったよ、という話が通じるのは日本と韓国くらいで、この二つだけはその結果がうまくいくということに執着しますね。でもほとんどの外国は、結果が成功することよりも、初めてのやり方をすることに意義があって、たとえ失敗したとしてもそこから教訓が得られたからいいじゃないか、というノリでしたね」

 国が違えば国民の考え方や価値観は大きく異なります。

 多くの国はおおざっぱで、自己責任の度合いが強く騙されたり失敗するのは自分が悪い、という価値観が強いようです。

 日本的な考え方に普遍的な価値があるということもありません。

 そういうことを知るのも旅と言えるでしょう。

 私は旅の経験があまりないので、旅の話が大好きです。

 旅した人には敵いませんね。
 

コメント
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