今日は舗装事業協会の札幌地区委員と、札幌市役所の技術担当者との意見交換会がありました。
入札・契約・工事実施の過程で日ごろ感じているいろいろな要望や意見をまとめて、意見交換をしようというのです。
シンボリックな話題を一つご披露しましょう。
Q 昨年から、住民より3か月以上借地にて資材置き場を借りた際に、騒音規制の対象となり、3か月で別の場所に借り直さなければいけない事案が発生しております。つきましては、札幌市の騒音規制の緩和を要望します。
…という問いがありました。
最近は住宅地の道路をバリアフリー化するような工事が多く出ているのですが、住宅地では、資材の一時仮置きなどのために場所を借りて、45dBという基準を超えるような騒音を発生させる工事や作業を行うことは3か月以内という条例があるそうです。
しかしバリアフリー工事を行う場合、3か月では工期が収まらず、最後の1週間くらいが、はみ出てしまうことがあるそうで、そんな短期間のために、一時仮置きの場所を替えるというのは手間ですし、そもそもそういう資材置き場に適した場所が近くにないことも多いです。
騒音規制の45dBがどれくらいの騒音かというと、図書館並みの静けさで、車のエンジン一つかけても、この規制は超えてしまいます。
これでは作業効率がおちるのでなんとかしてほしい、というのが業界側の要望ですが、市側の回答は、長文ながらその趣旨は、「環境条例があるので、理解してほしい」というものでした。
実はこの条例にも例外規定があって、建築工事と除雪作業には適用しないのだそうです。
条例ができた平成14年当時に、この条例では無理が出ると想定された事案が、この二つだったわけですが、それから15年以上が経って、人手不足の建設業界にとっては、環境と工事の効率化の折り合いを検討してくれても良いのではないか、という要望なのだと感じました。
市側の答えは、はじめは「条例があるのでご理解を願いたい」というものでしたが、業界側からは、「それならば仮置き現場を替える経費を計上してほしい」というような、形を変えた要望が出されます。
私がさらに感じて発言したことは、「問題は、今日の意見交換会に出席してくれている建設局のご者として、この要望を市役所の中の環境の担当者に業界要望として伝えてくれているのかどうか、ということじゃないでしょうか。そのうえで、環境サイドが『それは無理』とか『時期尚早』というのならまだわかります。しかしこの要望を、担当に伝える価値がない、と考えているのかどうかが、まずはポイントになると思います」ということでした。
幸いなことに、問題の趣旨は環境サイドに伝えている、ということのようですが、市役所がその気になれば改善できる課題は実はたくさんあるものですし、それを地道に変えてゆけるかどうかが、業界の働き方改革にもつながることなのです。
同じ課題であっても、課題が解決できなければ何年も問いかけなくてはなりません。
活動をしていて、虚しくなることもありますが、それでも声にすることをためらってはなりません。
次の世代の公共工事の担い手たちのためにも、課題解決に努力を続けようと思います。
頑張るべし。