「これはとても効く薬ですよ」と言われて飲んだ偽薬。
何パーセントの人には効果が出るというのが「プラシーボ効果」、人間の心理と思い込みはすごいもので、偽の薬を飲んで効果が出るなんて。
それに対して、「これはひどい副作用が出る可能性がある薬です」と言われて飲むと、偽の薬でも悪い効果がでてしまうことがあってそれを「ノセボ効果」と言うのだそうです。
いよいよ高齢者に対して始まったコロナのワクチン接種ですが、ネットや新聞の記事を見ていると、好意的に書いているものもある一方で副反応やアナフィラキシーというネガティブで恐怖をあおるような記事もあります。
情報の受け止め方を間違えると、副反応がゼロではないと聞かされただけで(もしかしたら)と恐怖におののいてしまうかもしれません。
世の中には危険やリスクがゼロではない確率で存在しています。
とても少なくなったとはいえ、年間の交通事故死者数は2020年に2839人、人口100万人に23.7人です
先日厚生労働省の専門部会ではコロナワクチン接種のアレルギー症状であるアナフィラキシーが100万回あたり28件と公表しました。
アナフィラキシーになる確率は日常生活で交通事故死する確率と大体同じくらいの感じです。
しかし大抵の人は交通事故を恐れるあまり外へ出ないとか交通機関を使わないということはないのではないでしょうか。
でもそんなアナフィラキシーの確率以上に、「ワクチンは怖いぞ、副反応が出ることがあるぞ」と聞かされ続けるとノセボ効果で具合が悪くなってしまう人もいそうです。
恐ろしい出来事を確率で考えて、日常生活のなかで過度に恐れないという立ち向かい方も時には必要ではないでしょうか。