先日ラジオを聞いていてはたと、「そうだったのか」と膝を打ったのが「ダークパターン」という単語でした。
コロナでネットショッピングの機会も増えたかもしれませんが、ダークパターンは特にネットでのショッピングによく現れるサイト側の仕掛けです。
あの手この手でサイトに誘導させたり、購入を誘ったり、焦らせたり、さらには一度読んだメルマガを止めるのがものすごく手間がかかる、など、読者を惑わせるようなネットサービスを数多く感じますが、それらを総称して「ダークパターン」と名付けられているのです。
私も経験があるのは、登録した覚えのないメルマガが送られてくるようになり、それを止めようと思うと、登録したかどうかわからないIDとパスワードを求められるということがありました。
そもそも登録した覚えのないメルマガなのですが、実は一度登録したメルマガの下の方に目立たなく「他のメルマガも受け取る」にチェックボックスがついていた、なんてことが原因になっていたりします。
また、一時「二カ月間無料」という宣伝に乗ってしまってあるサブスクに応募したところ、三カ月目からは自動的に有料契約に移行する、ということもありました。
まあ契約をよく読めばそう書いてあるはずですし、膨大な契約内容を全部調べるのをあきらめて適当に「確認した」にチェックボックスを入れていることが多いのでそうなるのです。
しかしそれならちゃんと「三カ月目からな自動で有料に移行します」と大きく書いてあるべきで、それをこちらがわの不手際のせいにしてしれっとしているというのもダークパターンの一つと言えます。
また微妙なところでは、宿泊ホテルの予約の際に「今〇人がこのプランを見ています」とか「限定残り△室」など表示されて、「ああ、取られちゃう」と焦らせるというのもある種の「あおり」と言えるでしょう。
海外ではこの種の問題に気がついていて、カリフォルニア州ではダークパターンで得られた承諾は無効である、という法律もあるそうです。
しかし日本ではまだそういう実態すら問題視されてはいませんし、しばしば日本人がふりかざす「自己責任」論に紛れてしまって、(ああ、自分が不注意で悪かった)と思いこまされている風もあります。
ダークパターンかどうかの線引きはまだ曖昧でグレーなところもありますが、巧妙に仕込まれた引っ掛けのような仕掛けがあるのだ、ということを「ダークパターンだ!」と思うだけでも予防に効果がありそうです。
ネットでの買い物には、「焦るな」「熱くなるな」「頭を冷やせ」「それはダークパターンじゃないか?」と自問自答する姿勢が必要ですね。
あまりひどい例は「こんなのはありでしょうか」ということがネットで話題になってくると社会的予防効果にもなりそうです。