今日から4月、令和4年、2022年の新しい年度が始まりました。
今日からいろいろと新しい法律が施行されて制度が変わるのですが、代表的な変化が民法改正による成人年齢の引き下げです。
140年ぶりの成年の定義の改正ということで、選挙権が得られるとか、親の同意がなくても一人で契約ができ、さらには10年有効のパスポートが取れるようになったり、公認会計士の資格を取得することができる、などということにもなるのだそう。
また女性が結婚できる年齢はこれまでの16歳から18歳に引き上げられて、こちらは男女とも18歳以上ということになるのだそう。
また、18歳で成年になれたとしても飲酒・喫煙・ギャンブルはこれまでどおり20歳から、ということで、肉体の年齢が成熟する段階と、精神の年齢が安定することとのバランスをとっているよう。
まあ成人の権利が得られると言いながら、義務は増えるし庇護されることが少なくなるように見えるので、若い人たちって本当に大変だなあ、とやや同情的に思います。
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我が国の歴史上の成人式と言えば、「元服」ですが、調べてみるとこの年齢って、貴族と武士、平民の別だとか、平安~江戸期までそれぞれに幅があるようです。
それでも大体、12~18歳くらいで(諸説あり)、江戸期には女子にも成人の元服がはじまったのだそう。
一方で、ではその頃の寿命はどうだったかということを見てみると、いまほど住民管理ができていたわけではないので、正確な記録はありません。
それでも古い時代の平均寿命は、安土桃山時代で30歳前後、室町時代は15歳前後、鎌倉時代が24歳、といった説があるようで、おおむね30歳前後です。
それが近世・近代になると江戸時代の平均寿命は32~44歳、明治・大正時代は44歳という説があります。
ただこのように平均寿命が今よりもずっと若いのは、生まれた子供が早くに死ぬ確率が高かったことがあり、それが平均を下げているというわけ。
逆に言えば、子供の時を無事に乗り切ればそれなりの寿命はあったことも想像できて、それならば50歳や60歳くらいまでは生きたろうし、そんな社会の元服が15歳や18歳ということは、概ね『人生の三割が子供、七割が大人』ということなのではないか、というのが私の説です。
肉体が成熟し、今生きている社会とはどんなところかという理解や、そこでどうふるまうべきか、というあるべき姿を修めるにはそれくらいの時間がかかる、時間をかけるというのがまあ妥当な線なのではないか。
そうなると、人生80年の現代日本社会では、成人になる年齢を24歳とか、あるいは大学卒業の22歳と言う風に、今の20歳よりもさらに後ろにずらすひつようがあるのではないか、とすら思います。
でもそれだと、お酒の飲めたりギャンブルができる年齢が後ろにずれて不満がでる?
どうせなら18歳から受けられる成人認定試験を設けて、早くに合格すればそこで成人になり、試験に落ちても22歳で自動的に成人になるというシステムはどうか。
まあ試験に合格しないと結婚もできずお酒も飲めないとなると、若者からは総すかんでしょうね。
成人かぁ、20歳の自分も今思えば未熟だったなあ。