朝から暖気が入って暖かい一日。雪祭りが終わると、途端に暖かい日が出始めました。
解けた雪が凍るのが一番怖いのですが。
今日は
■日本の酪農の現状 です。
【日本の酪農の現状】
午前中に酪農総合研究所の主催するシンポジウム「日本酪農の基盤を考える」を聴いてきました。シンポジウムそのものは10時から15時半まで行われているのですが、私は午前の生源寺先生の基調講演を聴くだけにとどめました。
生源寺先生は現在東大教授であり、ご自身の研究業績はもとより政府の審議会においても農政のあるべき姿について積極的な発言を行われて、日本の農業政策をリードするスーパースターとも言える方なのです。
今日は「深まる国際化と近未来の日本酪農」と題して基調講演をいただきました。
先生の講演を要約すると、①日本酪農の規模は、1960年に一経営当たり2頭だった乳用牛頭数が2005年には60頭になり規模は30倍に拡大したと言える。これはかつて「いつか追いつけ」と言っていたEUの規模を凌駕するほどに成長した。そしてこれを支えたのは産乳量の増加や搾乳作業の省力化を実現した技術革新であるといいます。
農業技術にはBC技術と呼ばれる育種などのバイオ・ケミカル技術とM技術と呼ばれる機械や道具などのメカニカル技術がありますが、この二つのバランスによって成長を遂げてきたのです。
②人口1億人以上を有する大国が過去数十年で食生活を米中心から高級タンパク質指向へと変えたというのは人間の長い歴史でも例のないことです。しかし同様のことはおそらく中国やアジア、オセアニアにも起きるだろうことが予想され、酪農の必要性は益々高まると思われます。
③酪農の経営主の平均年齢は北海道では49.5歳、都府県では54.9歳です。これは、日本の男性の農業従事者のうち65歳以上が55.5%を占めていることと比べると、非常に若い担い手がいるという力強さを表しています。
④酪農の雇用労働力を活かして、酪農をベースにしながら教育方面や観光方面など多様な副業に進出して成功している例が多く登場し、酪農経営の見本というものを示せないほどに多様なビジネス感覚あふれる経営形態が増えているのが特徴と言えます。
成功している人の多くは、「いろいろ試してみて、私はここにたどりつきました」というように、自分自身の生き様に確信をもっていることがあげられます。
⑤課題としては、生産者と消費者との間の距離が離れてしまったことによる食への信頼不安が上げられます。不安の根元は生産者の持っている情報が消費者には届かないか、届いていても理解できないという情報理解力の偏りに起因しています。
トレーサビリティ・システムは、消費者の要求度合いの高さから来るものですが、消費者の目は製品の品質からプロセスの品質、そしてシステム全体の品質に向けられており、これだけ高い要求水準をクリアする日本の酪農は世界においても信頼を得られるでしょう。
⑥また酪農という農業形態素のものが環境保全型であることにまで消費者の関心が寄せられ、その要求に応えていることは世界における酪農の国際競争力にも繋がるでしょう。
⑦しかし国際化への対応においてのキーワードは2007年度に導入される「品目横断的経営安定対策」です。「諸外国との生産条件格差を是正するための対策」を「国際規律の強化にも対応しうる政策体系」として導入することになるでしょう。
経営安定対策は内外の生産条件格差を財政によって補填する政策であると同時に、国内農業の力量をアップし、国産食料の消費者対応力の強化に繋がる政策であることが重要になるでしょう。
…というもの。
人口密度が低い北海道の特に都市部以外は一般に過疎に悩むと思われがちですが、じつは道東や道北は豊かな酪農地帯であって、水田農家のような後継者問題や小規模経営に悩む農業の姿とは全く別な世界があるのです。
酪農と稲作を比較すると、牛一頭の所得形成力は稲作40アールに相当するのだそうです。だから牛を60頭飼っている人は、稲作を25ヘクタール行っている人と同じだけの所得形成力を持っているということになるのです。
稲作の平均経営面積は一戸あたり1ヘクタールと言いますから、その規模の差が分かるというものです。
酪農には今でも若い人の新規参入が見られるともいい、全体として健全な農業携帯であることを伺わせます。
北海道にとって酪農は非常に重要な位置づけを占めていますので、これからもその安定的な経営を果たしたいものです。
今日も良いお話が聞けました。
※ ※ ※ ※
夜には東京から昔の上司Tさんが仕事で来札。そこでTさんを知っている職場の先輩たちと歓迎の飲み会を催しました。
大の大人が五人して飲んで食べて料金はなんと2千9百円というまさに価格破壊。
しかし一人の「要はもう食べられないし、飲めなくなったと言うことだよね」に全員笑って納得。
私はまだ思い切り食べて飲める幸せを感じていますよ。ふふ。
解けた雪が凍るのが一番怖いのですが。
今日は
■日本の酪農の現状 です。
【日本の酪農の現状】
午前中に酪農総合研究所の主催するシンポジウム「日本酪農の基盤を考える」を聴いてきました。シンポジウムそのものは10時から15時半まで行われているのですが、私は午前の生源寺先生の基調講演を聴くだけにとどめました。
生源寺先生は現在東大教授であり、ご自身の研究業績はもとより政府の審議会においても農政のあるべき姿について積極的な発言を行われて、日本の農業政策をリードするスーパースターとも言える方なのです。
今日は「深まる国際化と近未来の日本酪農」と題して基調講演をいただきました。
先生の講演を要約すると、①日本酪農の規模は、1960年に一経営当たり2頭だった乳用牛頭数が2005年には60頭になり規模は30倍に拡大したと言える。これはかつて「いつか追いつけ」と言っていたEUの規模を凌駕するほどに成長した。そしてこれを支えたのは産乳量の増加や搾乳作業の省力化を実現した技術革新であるといいます。
農業技術にはBC技術と呼ばれる育種などのバイオ・ケミカル技術とM技術と呼ばれる機械や道具などのメカニカル技術がありますが、この二つのバランスによって成長を遂げてきたのです。
②人口1億人以上を有する大国が過去数十年で食生活を米中心から高級タンパク質指向へと変えたというのは人間の長い歴史でも例のないことです。しかし同様のことはおそらく中国やアジア、オセアニアにも起きるだろうことが予想され、酪農の必要性は益々高まると思われます。
③酪農の経営主の平均年齢は北海道では49.5歳、都府県では54.9歳です。これは、日本の男性の農業従事者のうち65歳以上が55.5%を占めていることと比べると、非常に若い担い手がいるという力強さを表しています。
④酪農の雇用労働力を活かして、酪農をベースにしながら教育方面や観光方面など多様な副業に進出して成功している例が多く登場し、酪農経営の見本というものを示せないほどに多様なビジネス感覚あふれる経営形態が増えているのが特徴と言えます。
成功している人の多くは、「いろいろ試してみて、私はここにたどりつきました」というように、自分自身の生き様に確信をもっていることがあげられます。
⑤課題としては、生産者と消費者との間の距離が離れてしまったことによる食への信頼不安が上げられます。不安の根元は生産者の持っている情報が消費者には届かないか、届いていても理解できないという情報理解力の偏りに起因しています。
トレーサビリティ・システムは、消費者の要求度合いの高さから来るものですが、消費者の目は製品の品質からプロセスの品質、そしてシステム全体の品質に向けられており、これだけ高い要求水準をクリアする日本の酪農は世界においても信頼を得られるでしょう。
⑥また酪農という農業形態素のものが環境保全型であることにまで消費者の関心が寄せられ、その要求に応えていることは世界における酪農の国際競争力にも繋がるでしょう。
⑦しかし国際化への対応においてのキーワードは2007年度に導入される「品目横断的経営安定対策」です。「諸外国との生産条件格差を是正するための対策」を「国際規律の強化にも対応しうる政策体系」として導入することになるでしょう。
経営安定対策は内外の生産条件格差を財政によって補填する政策であると同時に、国内農業の力量をアップし、国産食料の消費者対応力の強化に繋がる政策であることが重要になるでしょう。
…というもの。
人口密度が低い北海道の特に都市部以外は一般に過疎に悩むと思われがちですが、じつは道東や道北は豊かな酪農地帯であって、水田農家のような後継者問題や小規模経営に悩む農業の姿とは全く別な世界があるのです。
酪農と稲作を比較すると、牛一頭の所得形成力は稲作40アールに相当するのだそうです。だから牛を60頭飼っている人は、稲作を25ヘクタール行っている人と同じだけの所得形成力を持っているということになるのです。
稲作の平均経営面積は一戸あたり1ヘクタールと言いますから、その規模の差が分かるというものです。
酪農には今でも若い人の新規参入が見られるともいい、全体として健全な農業携帯であることを伺わせます。
北海道にとって酪農は非常に重要な位置づけを占めていますので、これからもその安定的な経営を果たしたいものです。
今日も良いお話が聞けました。
※ ※ ※ ※
夜には東京から昔の上司Tさんが仕事で来札。そこでTさんを知っている職場の先輩たちと歓迎の飲み会を催しました。
大の大人が五人して飲んで食べて料金はなんと2千9百円というまさに価格破壊。
しかし一人の「要はもう食べられないし、飲めなくなったと言うことだよね」に全員笑って納得。
私はまだ思い切り食べて飲める幸せを感じていますよ。ふふ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます