北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

覚えることが多すぎる

2021-05-20 23:05:37 | Weblog

 

 妻が「パソコンを操作するのにどのキーを押したらよいかわからない」と言う。

 私が「えー、それは自分で何回もやって覚えるしかないね」というとやや不満げな表情をする。

 自分が分かっていることは常識で、他人が知らないのは不勉強ということだ。


 朝ちょっと早起きをしたので、朝食を食べて食器を洗いました。

 妻は「もう乾いた食器の上に洗って濡れた食器を置いてほしくない」と言っていたはず。

(じゃあ食器を片付ければいいんだよな)と思ったものの、小皿や小鉢をどこに片づければよいかがわからない。

(あれ?ここじゃなかったか…、どこだー?)

 結局自分の食器だけは布巾で拭いて元あったところに戻しておくに留めました。

「食器のしまう場所が良くわからないよ」と言うと、「それは何回も片づけて覚えるしかないね(笑)」

 習うより慣れるしかないのだが、なかなか慣れないのが現実。

 パソコンを使えなくても困るけれど、食器を片付けられなくてもやはり困るのだ。

 世の中覚えることが多すぎる。

 物を減らせば覚えることも減るのかな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鹿児島に負けた静岡茶

2021-05-19 23:13:53 | Weblog

 

 緑茶の産出額で、これまで長く首位を守ってきた静岡県が2019年の統計で鹿児島県に抜かれて2位になったという報道がありました。

 静岡びいきの私としては、今回は金額で『敗れた』と思っているわけですが、その理由として、高級茶の需要が低下して売れなくなったことが最も大きな要因です。

 次には生産の効率性が挙げられていて、静岡が斜面での小規模な茶畑が多いのに対して、鹿児島県では平坦な地形で機械化も進んでいることが生産規模の拡大面で追いつかれたということでしょう。

 健康志向で砂糖入りのボトルドリンクからお茶に変えるという人が増えてはいるものの、ボトルの緑茶は春の新茶ではなく夏や秋の二番茶、三番茶で安い茶葉が使われており、産出額としての寄与度は高くありません。

 問題は一番値段が高い春の新茶、それも急須で飲む茶葉の需要が減少していることです。

 お茶のライバルはコーヒーであり、静岡茶のライバルは鹿児島県と言っていたのは掛川市長の榛村さんでしたが、その心配が現実になりました。

 お茶の消費はお米の消費傾向に近くて、おコメの消費量が下がるにつれお茶の消費が減っています。

 また日本人の嗜好飲料としてはコーヒーがじわじわと増えており、その分緑茶の飲まれる機会が減っているといえるでしょう。

 
 お茶のファンである私ではあるのですが、自分自身のライフスタイルでも、キャンプへ行ったり釣りに行った際の休憩にはやはりコーヒーを飲みたくなりますし、コーヒーを飲む雰囲気がよろしく感じます。

 ということは、日常のアクティビティの中にすでにコーヒーが格好いい飲み物として取り込まれている反面、お茶を飲んでいいな、と思うシーンが限定的になりつつあるということです。

 ティーバッグにしたり、粉茶にしたりといろいろな飲み方も提案されてはいるものの、ライフスタイルの洋風化とともにコーヒーに押されている緑茶。

 日常生活から急須も消えようとしている今日、茶葉で飲む緑茶の復権はいかにあるべきでしょうか。

 静岡も鹿児島も、お互いをライバル視する以上に、茶葉の盛り返しに頑張らなくては、ね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

献血は不要不急ではありません…もわかるけど

2021-05-18 23:32:54 | Weblog

 

 先日久しぶりに献血をしてきました。

 血液センターに登録してあるスマホのメールに「B型の血小板が不足しています」という依頼があったもので、「献血は不要不急ではありません」と宣伝されているのは知っていても、果たして今職場など普段言っている以外のところに顔を出してよいのかどうかを迷う気持ちはあると思います。

 でもこうしてメールが来ると、ベテランドナーとしては(余程不足して困っているのだろう)と、協力してあげたくなるものです。

 ちなみに、メールを受けたことを告げて予約をするとお土産の品がちょっとだけ増えるという特典もあることは協調しておきたいところ。

 withコロナの献血も次第に慣れて落ち着きを取り戻し、ドナーも看護師さんも淡々とやるべきことをこなしていきます。

「そういえば医療従事者ということで皆さんはもうコロナワクチンは接種されたんですか」と訊いてみました。

 すると答えは「いいえまだなんです。同じ看護師でも患者さんを扱っていないのでまだ順番が来ていないのだと思います」とのこと。

 全くどうしちゃっているんだか。

 不特定多数の人と会わなくてはいけない医療従事者には少しでも早く予防措置が取られることを願います。

 成分献血と言えば、前回は最後のターンのときに血圧が急に下がって意識が遠のきかけたということがありました。

 今日はそれを心配したのですが、幸い体を温める措置を十分にしてくれたからか、無事にやり終えることができました。

 血圧低下も徴候がわかっていれば早めに対処が可能なので、そういう経験も次につながると思えば悪いことでもないだろう(byぺこぱ)

 帰ってきた献血カードを見たら、今回が120回目の献血でした。

 よく頑張ってきたものですが、年齢制限から考えると150回は無理かなあ。


     ◆

 

 さて、今日は隣町に住む両親がコロナのワクチン接種を受ける日でした。

 朝一番に電話をして、「今日はちゃんと病院に行けるの?」「うん、大丈夫。11時から11時30分の間に行くことになっているから」という会話で準備ができていることを確認。

 昼過ぎには母親から電話が来て「無事に終わったよ」とのこと。

「混んでいたかい?」
「いいや、全然」

 次の接種は6月4日だそうですが、地方都市の方がスムースに予約からワクチン接種までできるようですね。

 生老病死は人間の根源的な苦悩で「四苦」と言います。

 しかしその「病」も、社会の中で暮らしていると自分一人の苦悩ではなく社会全体の苦悩にもなってしまう。

 求めて得られない「求不得苦」は八苦の一つに数えられています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あごが痛い ~ 顎関節症なの?

2021-05-17 22:40:15 | Weblog

 

 数日前から右あごの付け根が痛くなって困っています。

 右の奥歯で食べ物を噛むと痛くて、左側はなんともありません。

 おそるおそる両顎を均等に閉じてみると、右の奥歯上下の噛み合わせの距離が離れている感じ。

 どうやら顎関節症ということらしいです。

 歳を取るということは体のあちこちが痛くなること、と誰かに言われたような気がしますが、まさにそう。

 体重や血圧、血中成分など数字で測れる体のデータならば長い目で見るとその変化が分かってきます。

 それがゆっくりと悪い方に振れて行くなら体調管理を始めて正常な数値に戻るように努力もできます。

 しかし五十肩やぎっくり腰、今回の顎関節症のように突然襲ってくる痛みはじわじわとは来ないので防ぎようがありません。

 痛みが生じてからその痛みに対応した治療をするしかないのは、どこから敵が攻めてくるのかわからない状況といえるでしょう。

 幸い、ネットには顎関節症の直し方を紹介してくれる動画が多数アップされているので、自分の症状にあったものを選んで試してみることにします。

 基本的には痛いところをマッサージするというものが多いようですね。

 実際にやってみると痛みは少し楽になったような気がしますが、まだ奥歯同士の距離が詰まってはいません。

 痛みに気長に付き合うとしますか、やれやれ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高校地理総合のサンプル問題 ~ 常識があれば解ける?

2021-05-16 22:30:33 | Weblog

 高校地理の先生たちの集まりで、地理総合に関する意見交換会があると聞いて参加させていただきました。

 来年4月から始まる『地理総合』という新たな必修科目ですが、実は文部科学省では一定の制約下であることを前置きしたうえで大学受験用のサンプル問題を公開しています。

【問題はこちら→ https://bit.ly/33Ks41E

 今回は、東京の大手予備校で地理を教えている講師をお招きして、予備校講師の立場からこの問題をどのようにとらえているか、ということについて意見交換をするものでした。

 当然ですがZoomによるリモート会議で道内外から問題意識の高い20人ほどの先生が参加していましたが、わざわざ会場へ出かけなくても良いというのはつくづく便利だと感じます。

 冒頭講師から、「実はこの問題を地理科目として勉強をしていない妻に解いてもらったのですが…、なんと満点でした(笑)」という驚くべき一言がありました。

 曰く、問題文をよく読めば常識ある大人ならば概ねわかる、分かってしまうレベルの問題だったということ、だそう。

 問題は全部で大きく3問。

 1問目は世界の人口問題についてですが、特筆すべきなのは発展途上国に関して問う問題になっていて、関心の範囲を世界に広げた学習が必要です。

 会話による設問ではジェンダーギャップと男女間格差にも触れていて、現代の問題への広い関心が求められています。(ただ問題はわりと簡単だと)。


 大きな2問目は防災がテーマ。問題は水害について問うものになっています。

 設問では、ハザードマップに書かれている避難場所は川向こうの小学校となっている、ということが紹介されたうえで「(主人公)私たちが暮らすマンションの2階以上に避難する場合もありそうね」と発言させて、それはなぜかを選ばせます。

 予備校の講師は「これも常識的だと思うけれど、これを知らないとすればやはり地理教育が担わないといけないのかな、と思う」とも。

 また被災地の復興に関連して、明治の大津波、昭和の大津波を経験した三陸地方の村の図を示して考えさせる問題がありました。

 講師はこの図の元になった村をグーグルマップで探して、おそらくここだろうという場所を探し当てたそうですが、「これは実際のどこのことだろう」と生徒に探させるというのは興味を引くうえでも上手なやり方かもしれません。

 
 最後の大きな3問目は、平成の大合併による地域の変化を地域調査した結果から考えさせる問題。これは新たな地理総合の目玉である地域調査の手法を踏まえた問題と言えるでしょう。

 設問では新潟県上越市や旧安塚町などが取り上げられていて、個人的に馴染みのある土地が出てきて懐かしく感じました。

 いろいろと出張や旅行をしておくべきですね。 

    ◆


 さて、問題を眺めてみると、大人にすれば常識的な問題が多いのですが、それは大人は普段から広く社会全体の情報に触れているからで、まだ若い高校生に広い問題意識を持たせるとなると、以下に授業に興味を持たせるか、という教師一人ひとりの力量が問われそうです。


 意見交換の中で講師に対する質問で、「設問に会話文がよく使われているのだが、これはなにか意味があるのだろうか」という問いがありました。

 講師からは「実は(OECDの学習到達度調査である)PISAの調査で、日本の学生は文章読解力が劣っているといわれていて、そのため全ての教科でそれを強化しようという動きがあるのです」という説明があってなるほど、と納得。

 一方、「ただ、会話にすることで回りくどかったり、ヒントになりすぎていると感じているところで、大学ではもう少し改善してほしいと願います」とも。
 
 講師の説明、質疑応答を含めて1時間ほどの会合でしたが、興味深く聞きました。

 道内の各地にも熱心な先生がいることが分かり、心強くも感じました。

 これからも都市計画学会としての支援の方法を考えてゆくつもりです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロナ禍の葬儀事情 ~ 密を避けて接触を避けて

2021-05-14 23:04:19 | Weblog

 

 仕事でお付き合いのあった方が亡くなられました。

 まだ60代半ばでしたがガンを患っての闘病生活でした。

 病と闘っていたことは知っていましたが、突然の訃報にその方を知っている人たちは皆絶句していました。

 コロナ禍のなかでお葬式はどうされるのだろうと思っていたところ、ごく会葬者を身内に限定する家族葬ではなく外部からの参列も可能な普通の形式でやられるとのこと。

 関係者は「それじゃあ最後のお別れをしよう」と何人もが参列のために葬儀場へと向かいました。

 会場では喪主の奥様と子供さんたちがいて会葬者への対応をしていましたが、祭壇の前に進んで焼香をしようと思ったら看板が出ていました。

 曰く「時節柄、会葬者の皆様には随時お引き取りください」というもの。

 なるほど、コロナ禍での葬儀と言うことで、故人に対してお別れはできるものの通夜に参列して読経を聞いたりする時間は取らせないという配慮でした。

 コロナの中での葬儀事情、密を避ける工夫と努力はこういうところにもこんな形で表れているのでした。

 人懐こく笑う個人の笑顔が思い出されます。  合掌

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゼロではなくても確率の問題なんだが

2021-05-13 21:59:04 | Weblog

 

 「これはとても効く薬ですよ」と言われて飲んだ偽薬。

 何パーセントの人には効果が出るというのが「プラシーボ効果」、人間の心理と思い込みはすごいもので、偽の薬を飲んで効果が出るなんて。

 それに対して、「これはひどい副作用が出る可能性がある薬です」と言われて飲むと、偽の薬でも悪い効果がでてしまうことがあってそれを「ノセボ効果」と言うのだそうです。

 いよいよ高齢者に対して始まったコロナのワクチン接種ですが、ネットや新聞の記事を見ていると、好意的に書いているものもある一方で副反応やアナフィラキシーというネガティブで恐怖をあおるような記事もあります。

 情報の受け止め方を間違えると、副反応がゼロではないと聞かされただけで(もしかしたら)と恐怖におののいてしまうかもしれません。

 世の中には危険やリスクがゼロではない確率で存在しています。

 とても少なくなったとはいえ、年間の交通事故死者数は2020年に2839人、人口100万人に23.7人です

 先日厚生労働省の専門部会ではコロナワクチン接種のアレルギー症状であるアナフィラキシーが100万回あたり28件と公表しました。

 アナフィラキシーになる確率は日常生活で交通事故死する確率と大体同じくらいの感じです。

 しかし大抵の人は交通事故を恐れるあまり外へ出ないとか交通機関を使わないということはないのではないでしょうか。

 でもそんなアナフィラキシーの確率以上に、「ワクチンは怖いぞ、副反応が出ることがあるぞ」と聞かされ続けるとノセボ効果で具合が悪くなってしまう人もいそうです。

 恐ろしい出来事を確率で考えて、日常生活のなかで過度に恐れないという立ち向かい方も時には必要ではないでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そうだ、誰かほかの人にやってもらおう

2021-05-11 23:30:28 | Weblog

 

 最近、車を走らせているときの風景を撮りたくなることが増えて、Goproで車のフロントグラス越しに撮影できるようなアクセサリーを買いました。

 左の吸盤がついたものは、フロントグラスに吸盤で固定してカメラの土台を取り付けられる「吸盤付きベースマウント」。

 真ん中は、カメラの向きや角度を自在に変えられる「関節ジョイント」。

 一番右はGoproのカメラで、上記の二つを駆使してフロントグラスにカメラを取り付けられるようになりました。

 興味深いのは、これらのアクセサリーがGopro社が提供しているものではなく、いわゆるサードパーティと呼ばれるメーカーが作って売っていること。

 電池や充電池など緻密な相性が求められる部品は純正品を用いた方が安心ですが、それ以外に「こんな風に便利な使い方ができる」という周辺アクセサリーはまさにアイディア勝負。

 アイディアがユーザーから受ければ売れて、立派なビジネスになります。

 Goproの側でも、何でもかんでも全てのアイディアを自分たちからひねり出す必要はなくて、カメラをより楽しく生かすような便利なグッズを勝手に作ってもらえれば、カメラの可能性が広がってさらに売れることでしょう。

 それに作っても売れるかどうかわからないリスクを自分で抱え込む必要がないというのもメリットです。

 双方が持ちつ持たれつでビジネス領域が広がるのはWin-Winと言えるでしょう。

 物事が自分の手を離れて勝手に動き出すことを感じたら、それは世間がそれを受け入れてくれて、流行になりつつあるということです。


     ◆


 若い頃にごく初期の「道の駅」に関する仕事をしていました。

 北海道では最初に11しかなかった道の駅をどうやったらドライバーの皆さんに知ってもらって便利に使ってもらうかを考え、スタンプラリーを始め、いろいろと試行錯誤していました。

 そうして道の駅も14→16→17→22と増えてゆくうちに、某旅行雑誌が「三泊四日で道の駅全制覇ルート」という企画を作って紙面にしてくれました。

 さらにインターネットでも、ユーザーのアイディアが次々と登場するようになり、アイディアを競うような動きが出てきました。

 また道の駅をめぐるグッズなども販売されるようになり、まさにもう自分たちの手を離れて、勝手にビジネスが回り始めたことを感じたものでした。

 全てを自分で考えて作るのではなく、様々な人たちの自由な発想を生かすコアだけを提供してあとは周りがそれを取り巻く上昇気流を作ってくれる、という役割分担ができれば理想に違いありません。


    ◆


 アメリカの鉄鋼王と言われたアンドリュー・カーネギーの墓にはこんな言葉が刻まれているそうです。

 「おのれよりも優れたものに働いてもらう方法を知る男、ここに眠る」

 ある種のマネジメントの走りですが、不完全な人による不完全な組織を動かして一人の人間の限界を超える。

 現代の知識社会ではそんな知恵が求められています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年寄りにとっての薬の意味

2021-05-10 22:35:51 | Weblog

 

 先日ある恒例のご婦人とお話をする機会がありました。

 そのお方、病院へ行っていろいろな薬をもらって毎日飲んでいるのだそう。

 私は医者ではないので薬の種類や量についてなんの知識もありません。

 ですがさすがに量が多すぎるのではないかと思って、「本当にそんなに飲まないといけないんですかね。飲めば個別の症状が改善されるのかもしれませんが、薬を飲むことがかえって苦痛になるようだと、生活全体の質に影響してしまうのではないでしょうか」と感想を述べました。

 するとその方は、「まあこれくらいなら飲むのがそれほど苦痛ではありません。ただ…」

「ただ…、なんですか?」
「いずれ体力が落ちて、娘や息子の世話になるかもしれないという気持ちはずっとあって、その時に少しでも健康になるための努力をしていないと申し訳ないという気持ちがあるんです」

「子供さんに対して申し訳ない…と?」
「はい。本当に私の具合が悪くなった時に、子供たちが私を邪険にするのかどうかはわかりません。でもこんな薬でも飲んでいれば、『私も迷惑をかけまいと一生懸命やったんだよ』と言えるでしょう」

「ふむ」
「ところが私が『そんなまやかしみたいな薬なんか飲まないよ、へん』といい加減な態度を取っていたら、子供たちの心のどこか片隅に『母さんは言うことを聞かないから…、ほらみたことか』という軽んじる気持ちが出るかもしれない、それが心配です。だからやった方が良いことはやっておこう。薬も医者が飲みなさい、というのなら飲もうと思っているんです」


 その方とお子さんとの関係がどうなのかはよくわかりませんが、私にはそれほど仲が悪いとは感じられませんでした。

 しかし歳を取るとだんだん気弱になるのか、とにかく衰えて子供の世話になるときにも精いっぱい頑張ったというポーズを取っていたいという心境が芽生えるのかもしれません。

 実際うちの両親は、薬を飲んでいることで安心しているという、自分自身が納得するための薬のような意味合いが見て取れます。

 そうなるとこれをまた「そんなの金の無駄遣いだ、やめなさい」とも言いにくい雰囲気が芽生えます。

 年寄りの薬が減らないのはこういう心理的一面があるのかもしれません。

 なんとか薬に頼らない老後のために、日々の健康に注意いたしましょう。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手戻りはなくしたいけれど ~ はつり屋さんのお仕事

2021-05-09 23:57:47 | Weblog

 昨日の作業で触れた「はつり屋」さんの話。

 建築現場でときどきブレーカーのガガガガ…という音が聞こえるときは、はつり屋さんが来てコンクリートを削っているときです。

 どうしてはつり屋さんが必要になるかというと、大抵は図面どおりに現場が施工されておらず、本来はあってはいけないコンクリート部分が存在しているからです。

 図面通りに型枠工が型枠を作っていれば、その型枠にコンクリートを流し込んで求める形が出来上がるはず。

 しかしそれがどこかで施工ミスがあったり、ごくまれには設計通りにやったのに設計が間違っていたということもあるのです。

 コンクリートが固まった後に型枠を外し、次の行程に移ろうかというときに間違いは発見されます。

 で、現場監督が呼ばれて「原因はなんだ…」「さてどうしたらよいか…」を考えて、結果やってくるのがはつり屋さん、というわけ。

 つまりは失敗の後始末屋さんです。

 現場で一番嫌われるのが、作業が後戻りする「手戻り」というやつです。

 作業が遅れるならまだ良いのですが、一旦やり終えたと思ったら、実はそれが間違っていて、一度元に戻す手間と時間がかかるということは実に嫌われるものです。

 そういう手戻りを黙々と担当してくれる「はつり屋」さんは、現場の中でも最も報われない仕事ではないか、とよく思ったものです。

 作業の結果、何かができあがるわけではなく、折角作られたものを壊して元に戻すというのは、美しい成果が見えるわけではありません。

 それに何しろ固いコンクリートを削るというのは、いくら機械を使うとはいえ、手に相当の振動を受け騒音に聞き続ける重労働。

 しかしその作業が終わらなければ次の工程には進めないので、その場面では絶対に不可欠な存在なのです。

 世の中のことは多くの仕事で成り立っているのですが、誰かの失敗を帳消しにする仕事というものもあるのだと、学生の時に知れたのはありがたかったかな。

 自分の仕事を手戻りにすることは避けようと思うようになりましたから。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする