たびたび対面する雪景色であっても、懐かしく思い出すことがある。
子供が幼かった頃、2月11日前後に京阪電車と京福電車で鞍馬へ出かけていた。
大型のポリ袋やプラのそり板持参だった。
何度かは鞍馬山から貴船方面に下り、川べりでインスタントラーメンを炊いて、体を温めたっけ。
車内の暖房が長靴にたまった雪を融かすので、座席の足元から湯気がたっているのが可笑しかった。
車を持たなかったので、小さなリュックに着替えやタオルや水筒やおやつを詰め、自分で切符を買い電車に揺られて行く。
帰りは疲れてぐっすり寝込んでいたが「よく寝たねー」と揺り起こし、最寄駅から自宅まで徒歩。
長じてスキーや山歩きはやっていない。
まず全員でタクシーに乗ることはなかった。
ある時、聞いてみれば「事故で全員が死ぬのは困る」だった。
思うに墓守りがいなくなるのは困る・・・だったのかもしれない。
その息子たちは今では遠く離れて暮しており、「墓守りは勘弁やなぁ~」と思っている節がある。
育てたようには育たないものだ。