毎月一回「日本の山」を2年間書いてきたけれど、それに代わって今度は「日本の温泉」シリーズを始めることにした。何だか月に一回ぐらい、そんなことを書きたいのである。温泉の紹介みたいなのはいっぱいあるけど、草津温泉とか伊香保温泉とか超有名どころは書かないつもり。温泉ファンならともかく、一般にはあまり知られていないような温泉を書いていきたい。
第1回は岩手県雫石町の国見温泉にした。温泉の魅力はたくさんあるけれど、無色の単純泉よりも、色が付いてる方がどうも効能豊かで神秘的な感じを受けてしまう。もっとも年とともに単純泉の良さも感じるようになってきたが、それでも最初は「色」で選んだ。風呂に浸かると体が見えない「白濁泉」(鶴の湯や白骨温泉、霧島の新湯など)もいいけれど、日本中を探せば不思議な色の温泉も見つかる。そんな中でもベスト級は間違いなく国見温泉だ。何しろエメラルドグリーンの湯がたっぷりと入った湯は、宿自らが「天然のバスクリン」と称しているぐらいだ。
こんな素晴らしい湯がたっぷりと出ている国見温泉だが、案外旅行で泊まったことがある人は少ないんじゃないだろうか。場所は岩手県だが秋田県との境に近く奥羽山脈ど真ん中という立地条件にある。この近辺には温泉が多く、岩手側にはつなぎ温泉、鶯宿(おうじゅく)温泉、ちょっと離れるけど花巻温泉やその近辺の秘湯(大沢温泉、鉛温泉など)、秋田側には田沢湖高原温泉や超人気の秘湯・乳頭温泉郷などが集中している。だからちょうど真ん中の国見温泉には泊まらずに通り過ぎてしまうんじゃないか。
(石塚旅館)
ここには「日本秘湯を守る会」に入っている石塚旅館がある。一軒宿かと思っていたら、もう一つ森山荘という宿もあった。僕はかつて乳頭温泉郷にいろいろ入りながら秋田駒ヶ岳に登ったときに、石塚旅館に泊まったことがある。お湯はドバドバ湧出していて、湯口では無色なのに湯船は完全にグリーンである。かなり濃厚な硫黄泉で、窓を開けっぱなしにしておかないと危険だという貼り紙があった。確かに風呂場内には硫化水素臭が濃かった。
(国見温泉案内)
ではどうして湯の色が緑色なのだろうか。泊まった当時は不明と書いてあったように思うが、今回ウィキペディアを見たら以下のような説明があった。「温泉に含まれる炭酸カルシウムと硫黄の微粒子がレイリー散乱で青く発色し、これに多硫化イオンの黄色が混ざる」というのである。東邦大学の分析によるとある。何だか全然判らないけど、レイリー散乱というのをさらに見てみると、「光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱」と出ている。空が青いのも「レイリー散乱」だそうだ。これでも判らないけれど、要するに緑色の物質が湯の中にあるわけではなく、光線の具合によって色が見えるのである。その証拠に湯口の湯をすくってみても無色透明だった。
自家用車かタクシーじゃないと行けない不便な場所にある。団体旅行で泊まることはないだろう。なかなか行くのも大変だと思うが、立ち寄り湯もやってるので温泉好きなら一度は入りたい湯だ。行けば判るが、絶対に驚くこと間違いない。ただ「秘湯」系なので、そういうのが好きな人じゃないと不満かもしれない。恋人同士なんかにはまだ向かない。ホントにお湯目当てで行ってみようという人向けである。でもお湯が好きな人なら満足出来るはず。
第1回は岩手県雫石町の国見温泉にした。温泉の魅力はたくさんあるけれど、無色の単純泉よりも、色が付いてる方がどうも効能豊かで神秘的な感じを受けてしまう。もっとも年とともに単純泉の良さも感じるようになってきたが、それでも最初は「色」で選んだ。風呂に浸かると体が見えない「白濁泉」(鶴の湯や白骨温泉、霧島の新湯など)もいいけれど、日本中を探せば不思議な色の温泉も見つかる。そんな中でもベスト級は間違いなく国見温泉だ。何しろエメラルドグリーンの湯がたっぷりと入った湯は、宿自らが「天然のバスクリン」と称しているぐらいだ。
こんな素晴らしい湯がたっぷりと出ている国見温泉だが、案外旅行で泊まったことがある人は少ないんじゃないだろうか。場所は岩手県だが秋田県との境に近く奥羽山脈ど真ん中という立地条件にある。この近辺には温泉が多く、岩手側にはつなぎ温泉、鶯宿(おうじゅく)温泉、ちょっと離れるけど花巻温泉やその近辺の秘湯(大沢温泉、鉛温泉など)、秋田側には田沢湖高原温泉や超人気の秘湯・乳頭温泉郷などが集中している。だからちょうど真ん中の国見温泉には泊まらずに通り過ぎてしまうんじゃないか。
(石塚旅館)
ここには「日本秘湯を守る会」に入っている石塚旅館がある。一軒宿かと思っていたら、もう一つ森山荘という宿もあった。僕はかつて乳頭温泉郷にいろいろ入りながら秋田駒ヶ岳に登ったときに、石塚旅館に泊まったことがある。お湯はドバドバ湧出していて、湯口では無色なのに湯船は完全にグリーンである。かなり濃厚な硫黄泉で、窓を開けっぱなしにしておかないと危険だという貼り紙があった。確かに風呂場内には硫化水素臭が濃かった。
(国見温泉案内)
ではどうして湯の色が緑色なのだろうか。泊まった当時は不明と書いてあったように思うが、今回ウィキペディアを見たら以下のような説明があった。「温泉に含まれる炭酸カルシウムと硫黄の微粒子がレイリー散乱で青く発色し、これに多硫化イオンの黄色が混ざる」というのである。東邦大学の分析によるとある。何だか全然判らないけど、レイリー散乱というのをさらに見てみると、「光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱」と出ている。空が青いのも「レイリー散乱」だそうだ。これでも判らないけれど、要するに緑色の物質が湯の中にあるわけではなく、光線の具合によって色が見えるのである。その証拠に湯口の湯をすくってみても無色透明だった。
自家用車かタクシーじゃないと行けない不便な場所にある。団体旅行で泊まることはないだろう。なかなか行くのも大変だと思うが、立ち寄り湯もやってるので温泉好きなら一度は入りたい湯だ。行けば判るが、絶対に驚くこと間違いない。ただ「秘湯」系なので、そういうのが好きな人じゃないと不満かもしれない。恋人同士なんかにはまだ向かない。ホントにお湯目当てで行ってみようという人向けである。でもお湯が好きな人なら満足出来るはず。