星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

ささやかな、祈り。

2003-03-11 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
 そろそろ・・・かな? と思って、去年ブックマークに入れてあったサイトを開いてみたら、やはり今日(11日)からアイルランドではセント・パトリックのお祭りが始まるのでした。

 栩木伸明先生の『アイルランド現代詩は語る』という本をたまに開いてみていて、私はシェイマス・ヒーニー以外のアイルランド詩人は全然わからないのだけど、私と同じ生まれ年のパット・ボランという詩人が、こんなことを語っている文章が載っていました。

   一般に「祈り」というのは「あれがほしいこれがほしい」と
   神様に頼むことだと思われてるけど、ぼくにとって本物の祈りは
   「褒め称える」ことだね。いまここにあることを感謝すること。
   オレはこれが好きだ、オレは今この瞬間を信じる、ということ。
   自分を再定義する瞬間。そういう瞬間にいたるようなプロセスが祈りだ
                           (P56)

 この人は高校を出たあと、ロックミュージシャンになるつもりだったそうで、ロックスターになりたい、という願望と、↑の言葉のような無垢な精神性が矛盾せずに彼という人間の中に在る、ということがアイルランドの「声の文化」が持ち続けてきたひとつの「力」だと思うし、そんな所に私もなんとなく導かれてきたのかもしれない、と思っています。

 ・・・自分のサイトの日記なのに、どうしても書けないことが胃につかえたりしてるけど、、「言葉」と「歌」の力を私に教えてくれた人たちに、こうして巡りめぐって出会えてきたことを、「感謝」するし、その出会いを「信じ」たいと思っている。「言葉」と「歌」の力が失われないこと、、それが私の「祈り」かな。