星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

空に虹を、、

2006-05-30 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
いっしょうけんめいです。。

しばし書けないかもしれないので、、(しばし、といってもわずか、です)
、、、言葉をおいておきますね。

 ***

  「そして、大雨は、四十日四十夜、地の上に降りつづいた」
   次の版画では、水はすでに退いて、そこらじゅうに死体が転がっていた。腐りかけた
  汚泥の恐ろしい悪臭が漂っているにちがいない。箱舟は山の頂に鎮座して、背後には
  日が輝き、虹がかかっていた。
   ジェイソンは、神が意地悪な存在なのではないかと母親に訊いた。けれども、母は
  その問いには答えてくれなかった。それに答える代わりに、ノアが生け贄を焼いて主に
  捧げ、主はそれを喜ばれたという一節を読んでくれた。主はノアと約束を、永遠の約束
  を交わした。もう二度と人間を滅ぼしたりはしないという約束を。そのしるしとして、
  神は空に虹をかけた。だから、いまでも空に虹が出るのだという。

               (『旅の終わりの音楽
                   エリック・フォスネス・ハンセン 新潮文庫)