星のひとかけ

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漱石の講演

2007-05-24 | 文学にまつわるあれこれ(漱石と猫の篭)
『新聞記者 夏目漱石』読了。

ちょっと興味をひかれた部分に、

「漱石の講演はどれも好評だった。長谷川如是閑は『相当難しい話を通俗に崩して話す手際』に驚いた。ざわつく大聴衆を前に、まず言葉とジェスチャーで聴衆の心理を捕らえておき、おもむろに話を進めていく。とくに『大劇場で世話物を演じる俳優のように、通常の会話風の言葉を大声で語り得る技術』には舌を巻いた」(第三章 朝日文芸欄より)

とある。
この少し前には、4千7百人余りが集まった、とも書かれている。
考えてみれば、、 この時代、、 マイク無しなのだ。 今では、大学の教室でさえ、ちょっとマイクの調子が悪かったりすると、 「先生、聞こえません」なんて言われてしまうのに、 4700人余りに講演するには、どんな声を張り上げたのやら。。

常日頃、 頭をかかえたような、 憂鬱そうな漱石の写真ばかり見せられているものだから、 『世話物を演じる俳優』 みたいな漱石なんて、想像つかない。 でも、、 大学での講義はかなり名調子だったそうだから、 案外、漱石は美声? いやいや、 謡を習う漱石の声は、なんだか周囲に笑われていたり、、。

近頃、 TVで拝見する房之介氏のお顔立ちは、 ずいぶん漱石の骨格に似てこられた気がしますね、、。 でも、 お声はなんだか ぼそぼそとお話になる優しい声だったような、、。 軽妙な語り口は、でも、さすがお孫さんだなあ、、と思います。

それにしても、、 
4700人て、、 コンサート並み。。 (驚)