星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
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菫色の空気の中… : アーネスト・ダウスン

2018-03-15 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
ここ数日、、 すっかり春の陽気に。

このところの東京では 余りに春が足早で…
桜のたよりもすぐそこまで。。


あまりに早くて、、 花の季節は嬉しいのだけど、、
、、ちょっと待って、、 もう少しゆっくり、、 愉しいことは ゆっくりゆっくりと…


それでも 春のワンピースをクローゼットから出して綺麗にお洗濯し直したりして…
やっぱり 花の季節を待ってる。。。

 ***


昨日の夜明けです。





細い月、、 可愛らしいでしょう?
ほんとは もっと金色で 鋭利に尖っていて きらりと輝いていました。

 ***


深い菫色の空気の中、
 そよと動く一枚の葉もなく、
 聞こえる音とては、 ただ
遠く、 稀に
 甲高い鳥の啼き声。


 … …

不意の沈黙が語ったことを
 彼女は聞きつけ、
 すみやかに、私のために
緑の草の褥を捨てるだろう。
 聞きつけて、目覚めるだろう!


 「無言歌」より第1、第3連

 『アーネスト・ダウスン作品集』
 (岩波文庫 南條竹則・編訳)


憂愁と日没と死と酒を詠うことの多いダウスンの詩集から、 めずらしく朝の光を詠った優しい詩を選びました。




真っ白い花束と朝の光…

… 病室みたい? 以前はそう思ったかもしれません、、

でも、 今はぜんぜんそんなこと思わない。。


菫色の時間から ゆっくりと淡い薔薇色の時間へと、、

今は朝の光がとても好き。。