星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

あの物語のハンカチの謎…

2023-02-20 | …まつわる日もいろいろ
14日に書いた読書のこと…

その後 お友だちに話したらさっそく読んでくれて、 「じつに面白かった」と教えてくれた。。 わたしも読んだ後もずっとこの本のことがまだ頭にあって…

(ネタばれになるので書名は書かずにおきますが)
あの本のなかで 解けない謎がひとつあって…  、、女性のトランクの中に、 どうやらお兄さんのものと思われる「洗っていないハンカチ」をフィリップは見つけますね。 それが死んだお兄さんのものなのか、 どうしてそれを彼女が持っているのか、、 その後のストーリーのなかで最後まで何も書かれないのです。

どうしてなんだろ… とずっと思っていて、、

読み終えたお友だちにも訊いてみたんだけど、、 ハンカチのこと 忘れていたみたいで (どうしてかわかんない…)と。。

 ***

お兄さんの死までの経緯は その後の物語のなかで解き明かされていきますが、 彼女とお兄さんが出会ってから死までは たったの2日間。 物語のなかで彼女がフィリップに話すのは 二日目の出来事だけ。。 でも一日目、 彼女は〈例の男〉とお兄さんと3人で「初日はかなりの時間を一緒に過ごして」いたとあります。 ハンカチが彼女の手に渡るとしたら、その日のことだと思う、、 

でもその日のことは明かされない、、 フィリップもハンカチのことも彼女に質問しないし。。 あんなに必死で謎を追っているのに、、 変でしょう? 

きっとね…  作者さんはこの部分をわざと曖昧にしているんだと思うのです。。 お兄さんが初対面の彼女に自分のハンカチを貸す、、 濡らしてしまったのか 彼女はそのハンカチを返さずに(たぶん洗ってから返そうと) 自分のホテルに持ち帰る… そんな感じだった筈… たぶん。。

その部分は全く書かれないのに、 なにかを暗示するように、 その後にフィリップが彼女と初めて出会った時に、、 思わせぶりのようにハンカチが登場してる。。 バスのなかで彼女の素足に海で濡れた自分のジュート靴のしずくをわざとらしく垂らして、 それで謝りながらハンカチで彼女の脚を拭くのだもの…

その後の場面でも、 フィリップが眼に煙草の灰が舞って入ったのをハンカチでぬぐって、、 取れないでいると 「わたしが取ってあげられるかも」と彼女がそのハンカチを手にする。。

ね? 象徴的でしょう…? お兄さんと彼女とのあいだに何があったのかは書かれていないけど、 でも何か似たような出来事があったのは確かでしょう? そしてお兄さんもおそらく、 フィリップと同じような想いで彼女を見つめていたはず、、


ほんとうに 読み終えたあとあとまで余韻を残す、 素敵な物語でした。。 映画にしたいくらい…

 ***

 彼女は自分のゴールドのライターを差しだし、 僕は上着の前を開け、それを風よけとして火をつけた。 彼女は輝くブロンドをふたたび近づけ、煙草に火をつけた。


 、、 読んでいるあいだも 映画にするならどの女優さんが似合うか、 ずっと想像しながら読んでいました。。 1950年代の小説だけれど 当時の映画のようなメイクや髪型がこってりした女優さんじゃないほうがいい、、

それで思い描いたのが、、 アンドレア・ライズボローさん。 英国のとても美しい女優さん。 きっと似合うと思う、、 シリアスな演技も、 青の洞窟のなかで泳ぐのも、、 

アカデミー賞主演女優賞にノミネートされている『To Leslie(原題)』も見てみたいな。。

フィリップとお兄さんの兄弟は誰がいいかしら… と考えて、、 『汚れたダイヤモンド』のニール・シュナイダーとアウグスト・ディールのコンビなどは…? なんて思ったのだけど、、 どう見ても英国人には見えませんね、、 ふたりとも(笑

でも 『汚れたダイヤモンド』の予告編、、 すごーくカッコいんです 二人とも。。 なのにDVDも見当たらないしレンタルもないみたい。。 見てみたいんだけど…

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今日のブログだけ読むとなんの話かわららないうえに 話がどんどん逸れてゴメンなさい。

14日の読書の その後の妄想のあれこれ、、 でした。