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神奈川県の西部にある「小さな町」で暮らす私.
日々の出来事、見たこと、感じたこと、思ったことを綴っていきます。

最も遠い銀河・・・・(読書感想文です)。

2012-05-08 | 本と雑誌
「最も遠い銀河」 上下    白川 道  著
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長編ですが、一気に読み終わった本です!
                         
世の中には「日陰に蒔かれた種」と「日向に蒔かれた種」がある。
そう、人間は生まれながらにして「平等」ではない・・・。
そんな思いを抱きながら、「日陰から日向」の人間になろうと努力を続けている主人公の「悲しくて切なくて、そして苦しい」恋愛を交えながらのストリー。
                                              
そこに、一人の定年退職した刑事がからんできます。
現役中の「未解決事件」のひとつが今も気になっている元刑事。彼の息子や昔の同僚と協力しながら、病を隠して調査を続け、主人公への包囲網をせばめていくのです。
                                      
読み進むうちに、なんだか主人公が可愛そうになってきました・・・元刑事が憎くなってきました・・・(苦笑)。
日陰に生まれて苦労し続けた主人公が、ようやく日の当たる場所に立とうとしているのに・・・、
ただ、愛する人の願いをかなえてあげただけなのに・・それが「罪」になっているだけ・・・。
悲しいさびしい、つらい結末に、「どうしてハッピーエンドになってくれなかったんだろう・・・」と、とても残念に思いました。
                                       
物語の中で、主人公が上を向くきっかけとなった詩、
                                                                                          
「光、生まれる朝
 光、支配する午後
 光、眠る夜
 生まれいでたる光輝かざれば
 夜の闇に朽ちるのみ
 一瞬の光は
 永遠の輝きをもって
 遠い銀河に眠る」
                                
一日の光の挿し方が、人生への光の挿し方に通じる。
                                           
物語の舞台の中心は「小樽」~~、
北の大地の有名な観光地ですが、その「小樽の海」のロマンチックな美しさを思い描きながら読める本です。
とってもステキな本で、私のお薦めの一冊です~~♪