prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「スイミング・プール」

2004年07月13日 | 映画
主人公はプロット重視タイプらしいイギリスのミステリ作家なのだが、映画そのものはあまりプロットのひねりではなく感覚的なスリルで引っ張っていく、フランス映画らしい作り。

フランスからチャールズ・ダンスの編集者になんべん電話しても一向に出ないので何か陰謀を巡らしているのかと誤解させるところなど、思わせぶりすぎるところはあるが、ゆらめく水を湛えたプールのそばに若い女と初老の女が並んでいるだけで、ある予感があって飽きない。

子供かと思った小さな女が、アップになると老人というあたりの異様さ。男は老いも若きも意馬心猿というあたりも意地悪い。ラスト出てくるもう一人の若い娘がブレース(歯列矯正器)をつけている。若さ、というより稚さの記号であるとともに、やはりこれもこの監督の一種の変態趣味。
ルドヴィール・サニエがしきりと若くて豊満な肉体をさらすもので、初老(出演当時58歳?)のシャーロット・ランプリングと対照しているのかと思うと、ラスト近くでランプリングが意外なくらい若々しい身体を見せるものでびっくり。若い女と張り合うのが回春法ということか。
(☆☆☆★)

「海猿」

2004年07月13日 | 映画
必ず行動を共にするパートナーを示す「バディ」という言葉が一つのキーになるわけだが、「バディ・フィルム」というジャンルが特にアメリカ映画では発達している。伊丹十三の受け売りになるが、互いに違う習慣・文化を背負う二人が心ならずも一緒に行動しなくてはならなくなり、反目や喧嘩を越えて互いに認めあうようになる、というドラマの型のことだ。
ところが、ここでは異質な二人がいかに対立を乗り越えるか、ではなく、伊藤淳史の振るまいのように初めからあやまって対立を回避することが先にきて、感情的な行き違い以上の本当の対立にはならない。

クライマックスで規則を破った藤竜也を訓練生たちが庇うのも、身内意識という感じが強い。あれで伊藤英明たちが助かっていたからいいようなものの、助かっていなかったら(その可能性は十分にある)責任のなすりつけあいになってムチャクチャになっているところだ。
二人共倒れになるより、一人を犠牲にして一人が助かるという方が非情なようだが「正しい」のだ。心構えがどうだろうと、酸素がなくなれば人は死ぬのだから。情に流されるのが人間的で、そのためには規則を破ってもいいのだったら、裏返すと何やってもいいことになる。
と、まあ感動させようとしているツボが、こっちの目にはいささかズレて写るが、訓練の描写で本物の装備を使い役者が本当に体を張る迫真感は、大いに見せる。ただカットを割り過ぎていて、どの程度息を本当に止めているのだろうかと余計なことを考えさせる。
エンドタイトルの後が意味不明だったが、続編を作るつもりらしい。作るのはいいけど、「ゴジラ」シリーズみたいなセンスで、かえって期待を削ぐ。

関係ないけど、「ゴジラ final」の予告でまたカンフーまがいをやっている。この監督、他に頭の中に入っていないのか。(後註・さらにMI2まがいのバイクチェイスもやっているよう。ったく)
(☆☆☆)

ユーレイ?

2004年07月13日 | Weblog
史上最高4億9000万円で落札された馬の父馬の名前が「ダンスインザダーク」というのでびっくり。あの世界映画史上最も辛気くさい映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」にひっかけている名前だよねえ、どう見ても。これで勝てるのだろうか。

BLOGを作ったのに合わせて初期画面をこれまでのYahooからgooに変える。結構新鮮。

写真はただの人形ですが、暗い中露光が長くなってブレたらユーレイみたいになってしまったのが自分でウケました。