メキシコからの不法入国者がアメリカで劣悪な労働環境と搾取にあい、犯罪を含めた反抗を試みて待遇改善には成功するが、逮捕され収監しない代わりに国外退去を命じられる。今どき、労働運動をまともに取り上げる映画も珍しいが、弱者のエゴが強者のエゴともに描かれていて、人間はパンがなくては生きられないがパンだけでは生きられない(それをローズという言葉に象徴されている)というニ律背反の膨らみがある。「戦場のピアニスト」の前のエイドリアン・ブロディが世にもアヤシゲに見えるオルグを演じているが見かけほど怪しくはないのが、ちょっと面白い味付け。
(☆☆☆)
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