prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「友引忌」

2004年07月14日 | 映画
ブライアン・デ・パルマばりの行き当たりばったり的構成。
ギョンアという暗い感じの子がサークルに入って虐められて自殺し、その子の幽霊に殺されたサークルのメンバーは目を抉られている、というスジなのだが、どうも幽霊になる前から周囲の人間に祟っていたみたいで、回想の扱いが曖昧で混乱を招く。さらに自殺したのには実は裏にトリックがあったという、とってつけたような展開になり、そのトリックがどう見てもムリヤリな上、なんで目を抉られていたのかよくわからず、最後の方では幽霊のコワさとは別に普通の人間がいきなりサイコキラーみたいになり、あまつさえジェイソンのごとき不死身になるという調子。
幽霊が出てくるあたりは演出のセンスを感じさせるが、ストーリーを追うのに余計な負担がかかるものだから場面にのめり込めず、オチも頭でそうですかと思うにとどまる。

スポーツマンのメンバーの部屋の壁にエゴン・シーレとともにやけに不健康なチャップリンの画が描かれていたり、エリートのOBのオフィスの壁に「ゲルニカ」が架けられているあたり、妙に凝っている。鍵になるビデオのタイトルが‘a few good man’。「ア・フュー・グッドメン」のもじりなのは明白。
原題の意味はわからないが、英語題はnightmere。日本題はなかなかうまい。
(☆☆★★★)

急に思いだした

2004年07月14日 | Weblog
「いま、どのような指導者が求められているという議論は皆無だった。重視されたのは『イメージ』だけである。…そしてある日突然、これでもかこれでもかとたたき始めたのである。…どんなに人気のある首相でも、いや、人気があればあるほど、徹底的にたたかれる。…この落差が政治不信の一因になっていることも確かなのである」
この文章が書かれたの、いつだと思います? 1993年8月のこと、筆者は田勢康弘、「政治ジャーナリズムの罪と罰」の一節、細川首相が退陣する前のことです。このマスコミの進歩のなさ。
別に小泉の肩を持つ気はないが、わずか3年前あれだけイメージを売りまくって儲けておいて、今度は叩けるだけ叩いて儲けましょう、反権力ぶりましょう、という態度がミエミエの今回のマスコミの御都合主義には腹がたつ。自分で政治不信煽れるだけ煽っておいて、ナニが投票率が伸びません、だ。誇張でなく、マスコミは政界以上に自浄作用がない。