prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「スキャンダル」

2004年07月17日 | 映画
ラクロの「危険な関係」を韓国に翻案しての映画化だが、奇しくもフランスの最初の映画化で主演したジェラール・フィリップも、ヨン様ならぬフィリップ様と呼ばれた二枚目だった。“様”づけというのは昔の女学生センスと思えるが、誰が言い出したのだろう。

初め遊びで人の心を弄んでいた連中が自分でも思いがけないうちに本気になってしまい、弄んだ報いが返ってくるという物語は、途中から本気になるあたりがえてして甘く見えがちになるのだが、割とここではうまくいっている。西洋人がやる時ほどアクが強くならないせいか。

版画で春画を刷るのは日本の浮世絵みたいだが、韓国にも似たようなものがあったのだろうか。R-18指定だが、どこにそれに該当する描写があるのか見当もつかない。
(☆☆☆)


本ホームページ

「白いカラス」

2004年07月17日 | 映画
予告編だとゲイリー・シニーズ扮する小説家がエド・ハリスに今書いている本のタイトルを聞かれて「白いカラス」と題名に合わせた(この邦題はなかなかうまい)答をしていたが、本編だと「人間の傷」と訳していた。The human stainだからふつう人間の汚れ、とかシミ、といった意味が先に来ると思うが、いずれにせよ最近の予告編は明らかに言っていることと訳が大幅に違うことが目立つ。字幕がキャッチコピーに近いものになっているみたい。

原作だとシニーズの小説家の目を通して出来事が綴られるのだろうが、映画にすると直接ドラマと関わってこないから、ややとってつけたような人物になってしまったきらいあり。

年齢からいえば老人のアンソニー・ホプキンスと今が盛りのニコール・キッドマンの組み合わせというのが、見ていても一向に違和感がないのはいいのか悪いのか。

事故を起こした後のエド・ハリスの目がさりげなくイッていたり、キッドマンの手のアップで爪の先に少し汚れが詰まっている(牛の世話をしているから)あたりの神経の細かさ。

政治的に正しい言い換えがやたら流行ったというのは、結局正しいつもりでいることを声高に言い募ることで正しさを証明しようとした愚かしさ(moral stupidityと言っていた)が支配的だったわけで、そういう意味ではテロとの戦いなんて言い募っている今はもっと愚かしいということになる。「人間はだんだんバカに、独善的になっている」という劇中の台詞が印象に残る。
(☆☆☆)

シンクロニシティ?

2004年07月17日 | Weblog
「シルミド 裏切りの実尾島」イ・ウグァンを読んでいたら、韓国でもさらわれた子供がサーカスに入れられて体を柔らかくするよう酢を飲まされる、という日本でもお馴染みの都市伝説があるのにびっくり。それともどっちかがどっちかに伝えたのだろうか。

青山ブックセンターが営業停止。ずいぶん立ち読み(椅子があったのでしばしば座り読み)させてもらったけれど、それがマズかったか。

写真は貝で作られた鳥の細工。