こういうスラムの凄まじい実態を描く映画というのは、いかに映画を通して“真に迫る”かを競うことが多いのだが、これは妙な言い方だが映画そのものを見せている感じが強い。アパートでずうっと同じアングルから時間だけとばして画面を重ねていく場面やストロボを生かした殺し場をはじめ、映像+音の処理もシーンの構成もすこぶるスタイリッシュで、描かれている出来事の凄まじさの割に印象がライト。
語り手の青年がもともと写真好きで、あまりに危なくて“現実”から目をそらし続けていたのが、カメラを通すことで初めて“現実”にコミットできるようになるのと対応しているよう。
スラムといっても、前半に出てくるアパート群など変に小奇麗で、ブラジルで首都ブラジリアを人工的に作ったら荒廃してしまったミニチュア版みたい。
ワルがキャンディでも配るようにピストルを子供に配るのに唖然とする。
(☆☆☆★★)
語り手の青年がもともと写真好きで、あまりに危なくて“現実”から目をそらし続けていたのが、カメラを通すことで初めて“現実”にコミットできるようになるのと対応しているよう。
スラムといっても、前半に出てくるアパート群など変に小奇麗で、ブラジルで首都ブラジリアを人工的に作ったら荒廃してしまったミニチュア版みたい。
ワルがキャンディでも配るようにピストルを子供に配るのに唖然とする。
(☆☆☆★★)