まるで子供のウソだ、と見ていて思った。
主人公スティーブン・グラスは子供がウケを狙ったみたいにウソをついて、それで通ったと思って調子に乗り、あるいはウソをごまかすためにさらにウソを重ねる。ばれそうになるとちょっとづつホントのことを言ってしのごうとして、追い詰められると泣く。
故郷や家族とのつながりがいやに強いところや、自分のイメージに溺れてしまうところからも、子供っぽさが見て取れる。
しかし、子供っぽいということは可愛がられるということでもある。対して、ウソを暴いて行く実在の人物マイケル・ケリー(イラク戦争で死去)は人好きのしないタイプで、ずいぶん周囲にアタマから嫌われている。捏造を暴いて行く調子もそれがしなければいけないことだからという淡々とした感じで、余分な正義感や暴露趣味は感じられない。
主人公の堕落が記事をエンタテインメント(ウケ狙い)にしすぎたところにあるのを頭に置いたように、映画自体、やたらエモーショナルになるのを抑えて出来事を平明に叙述していくタッチで、結果としてヘタに煽るより面白くなっている。平明といっても、描写はアメリカ映画らしくきびきびしており、最近では珍しくほぼ一時間半で収まっているのも好感が持てる。
一流誌の何重ものチェック体制も個人的取材ノートに関しては及ばず、記事が扱っている人物の写真を添付するようにした分は捏造が防げたというあたり、なんだかバカみたいだが実話だからというだけでなく、そんなものだろうと思わせる。
後で登場人物の実物を見ると、役者たちがみんなよく似せているのがわかる。
なお、スティーブンは現在弁護士を目指しているが、筆記試験は合格しても適性検査でひっかかっているとのこと。ああ大嘘つきだと、そりゃそうだろと思う一方、結構向いているのでは。
(☆☆☆★★)
主人公スティーブン・グラスは子供がウケを狙ったみたいにウソをついて、それで通ったと思って調子に乗り、あるいはウソをごまかすためにさらにウソを重ねる。ばれそうになるとちょっとづつホントのことを言ってしのごうとして、追い詰められると泣く。
故郷や家族とのつながりがいやに強いところや、自分のイメージに溺れてしまうところからも、子供っぽさが見て取れる。
しかし、子供っぽいということは可愛がられるということでもある。対して、ウソを暴いて行く実在の人物マイケル・ケリー(イラク戦争で死去)は人好きのしないタイプで、ずいぶん周囲にアタマから嫌われている。捏造を暴いて行く調子もそれがしなければいけないことだからという淡々とした感じで、余分な正義感や暴露趣味は感じられない。
主人公の堕落が記事をエンタテインメント(ウケ狙い)にしすぎたところにあるのを頭に置いたように、映画自体、やたらエモーショナルになるのを抑えて出来事を平明に叙述していくタッチで、結果としてヘタに煽るより面白くなっている。平明といっても、描写はアメリカ映画らしくきびきびしており、最近では珍しくほぼ一時間半で収まっているのも好感が持てる。
一流誌の何重ものチェック体制も個人的取材ノートに関しては及ばず、記事が扱っている人物の写真を添付するようにした分は捏造が防げたというあたり、なんだかバカみたいだが実話だからというだけでなく、そんなものだろうと思わせる。
後で登場人物の実物を見ると、役者たちがみんなよく似せているのがわかる。
なお、スティーブンは現在弁護士を目指しているが、筆記試験は合格しても適性検査でひっかかっているとのこと。ああ大嘘つきだと、そりゃそうだろと思う一方、結構向いているのでは。
(☆☆☆★★)