prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「やさしい嘘」

2004年12月09日 | 映画
主要登場人物が全部女で、わずかに現れる男は我々の世代は“嘘”をつかれ続けて今さら元に帰れない、と独白する。この場合の嘘というのは社会主義のことだろう。若い男たちも概してだらしない。
この話自体ロシアと西側にはさまれたグルジアが舞台でないと成り立ちにくい。もっとも作品自体は男の出番が少ないようにそれほど政治色はなく、女たちの人情ものの色が濃い。全面的にこういう嘘がいいのかとは思うが。
犬と赤ちゃんの他に、素人の婆さんも映画の演技では無敵みたい。
(☆☆☆)


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競作

2004年12月09日 | 映画
「電車男」はあれだけのベストセラーになったので当然ながら映画化の申込みがぞろぞろ出て来たのだが、何しろインターネットの掲示板が元なので“作者”というものがおらず“代表”が4、5人いるだけ、彼らの言うにはどこが映画化しても結構、できた後で改めて権利問題をつめるとのこと。映画化のシステムもネット的というか。
1951年に獅子文六の「自由学校」が松竹で渋谷実監督・佐分利信、高峰三枝子主演のと、大映で吉村公三郎監督・小野文春、木暮実千代主演のとの二つが同時に製作された例以来の出来事になるか。
しかし、あれって森田芳光の「ハル」を本にしたようなものでしょ。