prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「山猫」

2004年12月15日 | 映画
ケタが違いますね。映画もここまでくると世界遺産みたいなもの。

画質はやや黄色っぽい感じで、ゴミなども目につく。IMDbによると撮影監督のジュセッペ・ロトゥンノが「山猫」完全版のスーパーバイザーをつとめたのは1983年のこと。今だったらデジタル処理でもっとクリアにできるのではないか。

お屋敷など豪華絢爛には違いないのだが、大スクリーンで見ると暖炉の石のあちこちが欠けていたり扉に傷がついていたりするのが見える。公爵が鏡を見るラスト近くのシーンの後、便器の壷がずらっと並んでいるのとともに、貴族の暮しの飾った部分にばかり目を奪われないヴィスコンティ流のリアリズム。

舞台演出家らしい空間のつかみ方の大きさと、人物を建築と風景一体になった装置の中で動かし一続きのタブローに描いて行く比類のない造型力。

新旧の世界が交代していくさなか、旧世界にしがみつきもせず、かといって新しい世界にも甘い期待を持たないサリーナ公爵=ヴィスコンティの醒めた認識の見事さ。

公爵が鬚を剃っている鏡の中に顔を出すアラン・ドロンの登場シーンなど、原作そのまんま。ドロンが選挙にうって出るのと言い出すのが、いかにもそれらしい。

バート・ランカスターがあまりに立派な体格なもので、まわりの人間をほとんど子供みたいに持ち上げたりするユーモア。
(☆☆☆☆)


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「雨鱒の川」

2004年12月15日 | 映画
まあ、北海道の風景のきれいなこと、きれいなこと。磯村監督は毎度地方ロケーションがうまい。
劇中で使われる画がよくできている。特に一見写実的でうまい子供の絵と、子供っぽく荒いようで実はうまい絵とを続けて見せて、後者がいいとはっきりわからせるのに感心。

雨鱒のCGは、あんなに都合良く魚を操れるわけがないと思うからCGだと見当がつくが、水面の揺らぎまで取り込んだ驚くばかりにリアルな傑作。作ったのが沖縄のスタッフというのがなんだか可笑しい。魚の動きや質感に強いからだという。その他、ちらっちらっと画面にさりげなく蝶が飛んでいたりするのもCGかもしれない。

子供時代と青年時代とを絡めた構成も巧い。恋敵が聾唖のヒロインのため一生懸命手話を覚えたりする“いい人”で、主人公の画家が一応生活力があるという具合に、性格づけを安直に対照的なものにしていない。
見ている間に障害ものという印象を一瞬も覚えなかったのに、見終えてしばらくして気がついた。

日本映画なのにオープニングでパラマウントのマークが出る。
(☆☆☆★★)


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くわばら、くわばら

2004年12月15日 | Weblog
ネットでチケットを交換した相手に、封筒の表書きに「チケット在中」と書かない方がいいと忠告を受ける。抜き取りに会うことがあるからという。なるほど、そういえばそうだ。そういうことも考えなくてはいけないのだな。

携帯の基本操作集を読み直したら、ずいぶん使っていない、どころか知りもしない機能がぞろぞろ出てくる。デジカメの画質も上げられる。もったいないから使ってみるか。

火事を出したドン・キホーテが消防法違反で指導を受けていたとのこと。そりゃそうでしょう。あの詰め込み方は尋常じゃなかったもの。かなり前、TBS「噂の東京マガジン」の「噂の現場」コーナーで、深夜営業が迷惑だと住民とトラブルを起こしていたことが報道されたことがあったが、ああいうやり方してると随分怒りも買っていたのではないか。社長が泣いてみせてたけど、なんだかなあ。