prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「大統領の理髪師」

2005年04月01日 | 映画
初めの方のひどい選挙違反に始まり、最近これくらい笑った映画はない。ただ笑わせるだけでなく、子供が拷問を受けて足腰が立たなくなるあたり、リアルに描かれたら見ていられなかったろうが、非常に微妙なところをユーモアで切り抜けている。

大統領と側近と理髪師が一緒に飲むシーン、理髪師が目上の相手に対するマナーとして懸命に大統領から顔をそむけるようにして飲んでいるのに、側近は特にそういう態度をとっていない。側近にとっては大統領は「目上」ではないということか。現にその通りの行動に出るのだが。

ソン・ガンホが息子をずうっとおんぶして歩いている図が魅力的。雪が積もった中、川を裸足になって渡るシーン、顔に出していないが大変だったろう。

男たちがサングラスをかけてまわしてマッカーサーになったつもり(?)になるシーンや、園遊会で子供がコカ・コーラを飲んでいるシーン、あるいはロックンロールに若い店員がイカれているシーンなど、このころの韓国は日本同様アメリカかぶれだったのだろう。そのくせ戦争に行った先のベトナムでは、アメリカ兵にとことん冷たくあしらわれるのだが。
(☆☆☆★★★)



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「あずみ2 Death or Love」

2005年04月01日 | 映画
一作目は映画以前のシロモノだったが、これはだいぶマシ。
お宝を守りながら敵中突破するところにあの手この手で襲撃が加わる典型的なパターン。巨大なブーメランのような凶器や竹薮に張られる毒を塗った糸の罠など、趣向もこらしている。
脚本に川尻“獣兵衛忍風帖”善昭が加わった成果かどうか。

もっともあまりにばたばた敵味方ともに人が死ぬので、いささか殺伐としてスッキリはしない。ゲーム的になりすぎていないのはいいけれど。
上戸彩の演技は予告編だとひどく見えるが、本編の流れだとそうでもない。
本編だとなぜかタイトルに「2」がついていない。
(☆☆☆)



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