prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「NARC ナーク」

2005年04月03日 | 映画
人物たちの腐敗の徹底ぶり。犯罪者=警察と分けるのがまるで無意味になっている。演技演出ともにすごいリアリズム。
死体の匂いに平気なのが、より腐敗したキャラクターであることと対応しているのが後でわかる、といったハードなタッチ。
救いになるような家族が写真の中だけにしかなく、実際のそれは苛立たしさばかりが目立つコントラスト。

少なくないヴァイオレンス描写がたいていクイックカットなどでちらっと見えたか見えないかで処理されている。刺激を抑えるためというより、むしろ描き過ぎることで妙に描写としてフォーマルに収まるのを断ち切っているよう。
(☆☆☆★★★)



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