prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「キングダム・オブ・ヘブン」

2005年06月11日 | 映画
これ、なんで戦ってるのか、わからない戦いなのだね。いや、元の十字軍の戦い自体、そうだったのだろうが。
だから、勝った負けたが意味をなさず、和平を結んでお終いというのは他にありえないにせよ、早くそうすればいいだろ、とツッコミを入れたくなる。ひっこみがつかない、とか戦争を利用している連中がいるとか、そうできない事情が内部的にあるにせよ、それがあまり表に出てこない(司祭がはなはだ否定的に描かれてはいるが)し、第一主人公自体あまり決定的なポジションにいるわけではない。

キリスト教とイスラムとが敵対しながら一種のコミュニケーションが成り立っている図がもっときっちり出ていたらよかったのだが、時期が時期だけに各方面に気を配りすぎて、その分視点がぼやけた感じ。
スペクタクルの方はさすがに大規模で、映像も時代考証も見応えあり。ただ、これといった新味はない。櫓の将棋倒しの撮影は大変だったろうが、それで勝敗が決するわけではないので、今一つピリッとしない。

エンドタイトルを見ていたら、故ジェリー・ゴールドスミスの曲が使われていたらしい(どこの曲だか、よくわからん)。「エイリアン」ではテストのつもりの曲が使われたり、「レジェンド」ではタンジェリン・ドリームにすげ替えられたりと、ゴールドスミスはリドリー・スコットに雑に扱われたきらいがあるのだが、これはどうなのだろう。
(☆☆☆★)



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