なんか小津安二郎みたいな題名だが、原作は室生犀星の「性に目覚める頃」(今見るとすごい題名)。
主演の青山京子、久保明は、このちょっと前に「潮騒」で主演したコンビというから、この頃('55年、ちょうど半世紀前)の青春ものの顔ということになるのだろうが、今の“青春”ものとの感覚との違いは、古いとかいうのを通り越してほとんどカルチャーショックに近い。
「雁」に続いて見た豊田四郎監督・三浦光雄撮影作品としては、ロケが多い分完全にコントロールしきれない画が多いが、どんより曇った雲の間から陽光が射し込んでいるのを狙って撮った海辺のラストカットは、すごい。
(☆☆☆★)