悪徳役人と悪徳商人が手を組んで今で言う地上げで長屋の連中を追い出そうとする画策と、妖怪たちの跳梁とがストーリーの上であまりうまく絡んでいないので、妖怪が出てこないシーンはかなりダレる。
ラストの妖怪たちの百鬼夜行は楽しいが。
百物語という形式にこだわったのか、妖怪は劇中劇に出てくるところが多くて、しかも置いてけ堀とろくろっ首とがなぜかくっついて、取り殺された男たちはこれまたなぜか雷に打たれて死んでいる、という具合に脈絡がついていないのが困る。
妖怪が出てくるシーンで思わず笑ってしまうところが多いのはお楽しみだけれど、笑わせるつもりで作ってるのかいな。
若い頃の藤巻潤が誰だかわからないような二枚目ぶりで、今で言うなら「仮面ライダー」の主役にイケメンを起用して子供づれの母親も取り込もうとするのと通じているみたい。
(☆☆★★★)