調度品・衣装など丹念にリアルに手がかかっていながら、おとぎ話風のちょっと美化された調子を保っている。だから劇中の絵がアニメ化されて心象風景風に動くのもそれほど不自然な感じがしない。
実際に残っている風景を見せることが、自然の保存がうまくいった何よりの証。
レニー・ゼルヴィガーと並ぶとエミリー・ワトソンの身体が大きいのが目立つ。「奇跡の海」以来なんか目に不吉な感じのする女優さんだけれど、実際その通りになるのだね。
レニーはテキサス出身なのにも関わらず「ブリジット・ジョーンズの日記」でイギリスのロウアー・ミドル・クラスの発音を見事にこなしてみせたらしいが、ここではどうなのだろう。裕福ではあっても「成り上がり」の家柄だから、微妙なところ。
娘が自立しているのを認めるのが一番遅いのが母親、というのもありそうな話。
(☆☆☆★★)