冒頭、水着で泳いでいる若い女が撃たれるところから始まるので暑い季節かと思うと、ハリーはジャケットの下にベストを着込んでいる。シーンが進むとベストは脱ぐようになるが、サンフランシスコが舞台のせいか、なんか季節がよくわからない。
ジャケットに肘当てをつけているのは、お気に入りの服からだろうか。「3」で、地面にジャケット姿で腹ばいになるよう命じられて、気にいってる服だとか言ってゴネるシーンとかありましたしね。
「さそり」がパラシュート部隊で使う靴を履いているのは、監督のドン・シーゲルが意識的にやったとインタビューで答えた唯一の性格描写だが、他にも部屋にW・C・フィールズのポスターが貼ってあったり、入るバーの名がRoaring Twenties(米国の狂騒の1920年代)だったりと、妙に回顧主義的。あと、ベルトのバックルが蜘蛛の巣みたいな変てこなでデザインだが、何なのだろう。
ハリーの相棒のメキシコ系のチコ・ゴンザレスの奥さんが金髪の白人美人。大学で社会学の学位と教師の免状を取っているという設定だから、秀才なのでしょうね。少し大げさだが、トロフィー・ワイフというのか。