日系アメリカ人の監督リサ・モリモトが元特攻隊員たちとアメリカ側の兵士たちの証言を中心にして構成したドキュメンタリー。
証言自体は貴重なものだけれど、笠原和夫「昭和の劇」で語られている出撃に出る前夜の特攻隊員が一秒たりともムダにはできないという感じでじいっと蝋燭の炎を囲んで見つめ続けていたとか、希望するか熱望するかの選択肢しかなくて断るなどありえなかったとか、特攻に出たら二階級特進になって両親がもらえる遺族年金が増える(その背後にある日本の貧しさ!)とかいったビビッドに突っ込んだところが割りと少なく、NHKスペシャルあたりとそれほど印象が変わらない。
BBCだったかで作られた日本の右翼のドキュメンタリーで、右翼の構成員のかなりの割合が天皇制のもとで差別されているはずの在日や部落民であることをはっきり指摘したものがあったというが、そういう外国人(日系だが)だから描ける日本像といったものはそれほど感じなかった。