なんとなく見たようなつもりでいて、ちゃんと通して見たことのなかった映画。もっとも、そんなにイメージと実物に違いはありません。
当時十三歳のダイアン・レインの初々しいこと。このあとみるみるうちに成長して結婚して子供ができて離婚してまた再婚して、その間ずっと浮き沈みはあったけれど、コンスタントに映画で見てきたので、なんか感慨あり。
ちなみに、相手役のテロニアス・ベルナールは、現在歯医者だそうです。
エンド・タイトルを見て初めて知ったのだけれど、原作小説の原題がE=MC2 mon amourっていうのね。映画ではハイデガーやブラウニングは出てきたけれど、理科系の話題は外していた。
「明日に向って撃て!」や「スティング」など、ジョージ・ロイ・ヒル監督の旧作がフランス語吹き替えで引用されているけれど、劇中に出てくる三流女たらし監督の名前がジョージというのだから人を食っている。顔つきやサングラス、髪型など若い頃のウィリアム・フリードキンみたい。
ローレンス・オリヴィエが語る「ためいきの橋」絡みでエピソードが語られるイギリスの詩人エリザベス・ブラウニングと夫のロバート・ブラウニングのロマンスというのは、こういうものだったらしい。
親の反対を押し切って駆け落ちしてイタリアで暮らした、とか、その前に交わした手紙は2年足らずで実に573通、というのが映画のクライマックスとかラストのやりとりに反映しているわけね。