映画の中で語られているが、誰もいない豪華客船というマリー・セレスト号事件ばりのムード。もっとも、あの事件の真相というのは手品の種明かしじみて白けるものらしいけれど、出だしとすると魅力的。
ロバート・ゼメキスが製作に加わっているので、「ゴースト・血のシャワー」のリメイクかと思ったら、別物なのね。
地上波デジタル放送の録画で見たもので、スプラッタ描写は相当に切られている雰囲気。アナログ地上波だと、吹き替えにするとモノラルになってしまったのだが、デジタル放送だとステレオ音響になるのはいい。超大型客船の中の音の響きが良く出た。
あまり知名度のある役者が出てこないので次に誰が死ぬのかわからない効果はあるけれど、キャラクターのどんでん返し的扱いは今ひとつ。
無数の成仏できなかった霊が昇天していくラストは諸星大二郎の妖怪ハンターシリーズの「生命の木」ばり。
ぼろぼろの幽霊船のホールから、かつての豪華客船で催されたパーティが再現されるCGはなかなか好調。
(☆☆★★★)