今の目で見るとゆったりしたテンポの割りに、的確なカットの積み重ねできっちり位置関係やストーリー展開をわからせていく演出で、飽かせない。
清掃業者に化けた麻薬泥棒の車を追っているうちに、同じ業者の車がもう一台現れてどっちを追えばいいのかわからなくなるあたりや、クライマックスの長い海岸線を生かしたカーアクションなど、よく工夫している。車に追われてばーっと海鳥の群れが飛び立ったり、波を蹴立てて水しぶきがあがるあたり、美しく新鮮。
さすがに、盛りは過ぎた時期の作品とはいえ、ジョン・「大脱走」・スタージェス監督。
ジョン・ウェインは現代の警官役だからライフルをぶっぱなすというわけにいかず、ピストルを握り締めてぱんぱんと撃つのは西部劇とは違い、けっこう距離があっても百発百中のご都合主義は一緒。後半、イングラム・マシンガンを出してきて、ライフル代わりにこれで悪者どもをなぎ倒すのが大ざっぱでウェインらしい。
女を相手にする時の、照れたような困ったような感じも西部劇の彼と一緒。
McQというと、今だとファッションのブランドと間違えられそうだが、ダーティハリーと同じようにアイルランド系ということだろう(アイルランド系でMcとかMacというのは、イングランドでいう-sonみたいな意味らしい)。そういえば、ウェインが乗っている車の色も、アイルランド・カラーであるグリーン。
(☆☆☆★★)