不法移民と、9.11以降彼らを冷たく追い返すようになったアメリカの対応を扱った映画だが、翻って考えてみるとこういうドラマが生まれる分、アメリカはまだ移民と接しているとも言える。翻って考えると、我が日本ではドラマが生まれる以前の段階で隔離して、ほとんど「いないことになっている」ようなものですからね。
そういう大きなテーマと同時に、平行して展開するリチャード・ジェンキンス扮する大学教授が何かやっているようで同じことの繰り返しばかりで何もしていない自らの生活の殻を破っていく「小さな」ドラマは、身に迫るものがある。
コミュニケーションの手段に西アフリカの打楽器のジャンべを使ったのが作り方としてうまいところで、映画にリズムが導入されるのと、見るからにアフリカの楽器なので国境を越える表現になるのがわかりやすい。
移民局のガラス越しに即興のセッションが始まる場面は、短いが感動的。冒頭のドアを叩いて入ってくるピアノ教師とそりが合わず追い返すところから、主人公がどれくらい遠いところに来たかをリズムひとつで端的にわからせる。
The visitorを「扉をたたく人」とはうまく訳した。
お盆休み中とはいえ、この地味な映画が恵比寿ガーデンプレイスで満席になっていたのに驚く。
(☆☆☆★★)
本ホームページ
扉をたたく人 - goo 映画
そういう大きなテーマと同時に、平行して展開するリチャード・ジェンキンス扮する大学教授が何かやっているようで同じことの繰り返しばかりで何もしていない自らの生活の殻を破っていく「小さな」ドラマは、身に迫るものがある。
コミュニケーションの手段に西アフリカの打楽器のジャンべを使ったのが作り方としてうまいところで、映画にリズムが導入されるのと、見るからにアフリカの楽器なので国境を越える表現になるのがわかりやすい。
移民局のガラス越しに即興のセッションが始まる場面は、短いが感動的。冒頭のドアを叩いて入ってくるピアノ教師とそりが合わず追い返すところから、主人公がどれくらい遠いところに来たかをリズムひとつで端的にわからせる。
The visitorを「扉をたたく人」とはうまく訳した。
お盆休み中とはいえ、この地味な映画が恵比寿ガーデンプレイスで満席になっていたのに驚く。
(☆☆☆★★)
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