prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「3時10分、決断のとき」

2009年08月21日 | 映画
本格的に「男の誇り」や「無言で通じ合う男の心情」を見せる西部劇。
新宿ピカデリーで3時10分の回で観る。年輩の男多し。なぜ公開の規模が小さいかわかる。ただし、なんとほとんど満席(日本だと宣伝で「西部劇」という言葉を使うと客足が遠のくので、避ける場合があるとのこと)。

ラッセル・クロウの副官を演ずるベン・フォスターが、銃の扱いのマナーやコートの着こなしなど光るところを見せ、他の射撃の名手のメキシコ人ほかキャスティングのアンサンブルが好調。
クリスチャン・ベールは一枚看板は苦しいが「受け」の芝居をするといいみたい。脚が悪くてあんなに動けるのかとも思うが。北軍にいたにも関わらず個人的に「負け犬」の立場に追いやられた設定が細かい。

アパッチがちょっと出てきて、もちろん昔みたいに射的の的みたいにバタバタ殺すわけにはいかないにせよ、ちゃんと(?)殺している。インディアンの扱いが、ぐるっと一回りした観もあり。
ライフルのスコープを通した像が、一瞬だが昔のレンズの作りではこうかと思わせる歪み方をしている。
アメリカの大陸横断鉄道に携わったのが中国からの移民労働者だったのは有名な史実だが、その情景を映画で実際に見られたのは初めて。

中盤の荒野を横断するシークェンス、アップが多すぎて空間が十分出ないのは困る。
銃撃戦の音響効果がすごく、終盤の街の住人の行動は「真昼の決闘」をエスカレートさせたよう。
ピーター・フォンダが出ているのだが、誰だかまったくわからなかった。

WOWOWで録画しておいたオリジナル「決断の3時10分」を見るのが楽しみ。
(☆☆☆★★)


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