コーヒーの価格を決めるのはニューヨークの取引所で、産地も消費者も関われるわけではない。市場至上主義の最も見やすい現われだろう。
コーヒー発祥の地エチオピアでコーヒー農家が価格が極度に下に貼り付けられて貧困から抜け出せない歪な仕組みの上に、それと戦い中間マージン(業者が六段階はさまるという)なしに直接消費地の先進国に自慢のコーヒー豆を送り届けようとするアフリカ代表ダデッケ・メスケラの奮闘ぶりと、コーヒーのものものしいテイスティング大会、アフリカの貧困、それに伴い現金収入を求めて先進国では違法になっている作物の栽培に走る農家などを交錯させて描く。
わかりやすい構成で、アフリカ代表の行動に「何をすればいいか」という答えを出しすぎていて図式的あるいは宣伝くさい印象もあるけれど、その分風通しが良い印象も一方にある。