prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」

2009年09月20日 | 映画

リメーク「Ballad 名もなき恋のうた」に合わせての放映だったのだが、原作者の臼井儀人が行方不明になっている最中になってしまった。
だもので定番のおバカギャグもなんだか見ていて落ち着かない。

同じ原恵一監督の「オトナ帝国の逆襲」がむしろオトナを感動させたように、「しんちゃん」の枠を守った上で戦国時代の身分の違いを生かした正統派ラブロマンスを展開している。マジメになりすぎそうになるところでしんのすけがお下品なツッコミを入れるのが、照れ隠しのようでもある。
戦闘シーンや武士の誓いの描写など、本格的時代劇のもの。鉄砲の銃声一発で描かれるあっけない死の描写など、黒澤明の「乱」のよう。

タイムスリップの描写がよくあるギンギラの光に包まれてといった具合ではなく、いつのまにか時間を越えてしまっているのが慎ましい。

後註・やはり遭難したのは残念ながら臼井儀人氏でした。ご冥福をお祈りします。