母親の遺言で、息子と娘が聞いたことのない兄を探しに中東に行くわけだが、捜索していくにつれわかってくる過去の経緯の入り方がかなりイレギュラーで、誰も見たはずのない場面が作者の恣意で画になったりする。
探偵役になってもおかしくない姉弟が捜索につれて事実を「発見」していくという対応が曖昧なので、見知らぬ兄とはいっても彼ら自身に刺さってくる存在とは必ずしもなっていない。ドラマが始まるところで終わる観あり。
おおもとになっている出来事はアルゼンチン映画「オフィシャル・ストーリー」に似ているが、あれが過去の出来事を一切画にしないですべて台詞で語っていたのと比べたくなる。
あの作品ではじりじりと見えない過去が見えないゆえに今見えている現在の過去とのつながり方が変質していく、公式の歴史を教えていたヒロインがそのあり方を根底から覆さざるをえなくなる。
出来事の非人道性は描いていてもそれが誰にどう波及するかにダイナニズムはここではやや薄い。
舞台が中東のどこかとはわかるが国を特定はしていないのも、(ひとごと)感にややつながっているように思う。
(☆☆☆★)
本ホームページ
灼熱の魂 - goo 映画
探偵役になってもおかしくない姉弟が捜索につれて事実を「発見」していくという対応が曖昧なので、見知らぬ兄とはいっても彼ら自身に刺さってくる存在とは必ずしもなっていない。ドラマが始まるところで終わる観あり。
おおもとになっている出来事はアルゼンチン映画「オフィシャル・ストーリー」に似ているが、あれが過去の出来事を一切画にしないですべて台詞で語っていたのと比べたくなる。
あの作品ではじりじりと見えない過去が見えないゆえに今見えている現在の過去とのつながり方が変質していく、公式の歴史を教えていたヒロインがそのあり方を根底から覆さざるをえなくなる。
出来事の非人道性は描いていてもそれが誰にどう波及するかにダイナニズムはここではやや薄い。
舞台が中東のどこかとはわかるが国を特定はしていないのも、(ひとごと)感にややつながっているように思う。
(☆☆☆★)
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