水攻めのシーンが東日本大震災の津波を思わせるというので公開が延期されたというが、なるほど洪水そのまんまの映像です。ただ迫力あるのはいいけれど、近くに山があるわけでもないのにあんなに勢いのある洪水になるものかとは思う。
基本的に負け戦の話で、そうなると普通は大きく二つの方向しかない。美しく散るか、屈辱的に生き延びるかだが、これはあらかじめ道化てみせることで生き延びながら鬱屈を免れるというどちらでもない道を示したということだろう。
ただ困るのは、負けたらどれだけひどいことになるとのかいう切迫感が描写の上でも話の上でも欠けていること。爆弾をしかけたという設定だけで爆発しているところをあらかじめ見せておかないようなもの。
比べることもないが、「七人の侍」は戦争が終わって十年経っていなかったせいもあるが、戦争で踏みにじられる側の感じが出ていた。
当時は百姓と武士との違いというのは実質なかったわけで、ここの百姓はバカに元気なわりに「七人の侍」以来の時代劇でのルーティンのイメージをなぞっていて面白みや発見に欠ける。時代劇は「もののけ姫」以後の時代に入っているという認識は必要なのではないか。
野村萬斎は他に考えられないキャスティング。元の狂言というのはこんな割と野趣のあるものだったのではないかと思ったりした。
他の若い出演者がまるで現代劇そのままでやっているのは狙いみたいだけれど、だとしても上滑りしている感は免れない。
(☆☆☆★)
本ホームページ
のぼうの城 - goo 映画
公式サイト
基本的に負け戦の話で、そうなると普通は大きく二つの方向しかない。美しく散るか、屈辱的に生き延びるかだが、これはあらかじめ道化てみせることで生き延びながら鬱屈を免れるというどちらでもない道を示したということだろう。
ただ困るのは、負けたらどれだけひどいことになるとのかいう切迫感が描写の上でも話の上でも欠けていること。爆弾をしかけたという設定だけで爆発しているところをあらかじめ見せておかないようなもの。
比べることもないが、「七人の侍」は戦争が終わって十年経っていなかったせいもあるが、戦争で踏みにじられる側の感じが出ていた。
当時は百姓と武士との違いというのは実質なかったわけで、ここの百姓はバカに元気なわりに「七人の侍」以来の時代劇でのルーティンのイメージをなぞっていて面白みや発見に欠ける。時代劇は「もののけ姫」以後の時代に入っているという認識は必要なのではないか。
野村萬斎は他に考えられないキャスティング。元の狂言というのはこんな割と野趣のあるものだったのではないかと思ったりした。
他の若い出演者がまるで現代劇そのままでやっているのは狙いみたいだけれど、だとしても上滑りしている感は免れない。
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「ダーティハリー」でさそりが買ったばかりの酒瓶で店主の頭をかち割ってレジをさらっていくところ。 #映画の好きなシーンをあげろ