prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「もうひとりのシェイクスピア」

2013年01月20日 | 映画
原題はAnonymous(無名者)。

実際に戯曲を書いたのと名前を提供したのと、別のシェークスピアがいるというあたりまではありがちだが、才能のない別の劇作家、エリザベス女王、そしてシェークスピアの宮廷劇や実際のイギリス宮廷に出てきて権力闘争を繰り広げるキャラクターたちがごそっと出てきて、さらにはグローブ座の観客たち=大衆までも含めた時代の総体をつなぐ言葉そのものとして、シェークスピアがあるといったやたらと構えの大きな作り方。

イギリス宮廷劇に関する予備知識が相当にあればともかく、いきなり複雑な人間関係を提示されてもいささかついていきずらい上、コスチューム・プレイなので個々人のメイクや扮装が濃い分、ますます見分けがつきにくい。おかげで誰が何やっているのか、といった基本的なところで情報伝達が不十分。
クライマックスにあたるグローブ座に集まった観客が暴徒と化すのは、芝居が終わっていないのに劇場から出て行くものかと思わせ、しかもグローブ座はぐるりを取り囲んだ構造だからなおさら不自然。

監督はハリウッド版「ゴジラ」や「インディペンデンス・デイ」といった大味特撮大作で売ったドイツ人のローランド・エメリッヒ。まるで畑違いに思える分野に挑んだのはいいとして、風呂敷を広げすぎてへたってしまった印象。役者たちをそれぞれちゃんと粒立たせて使う腕がない。

撮影・美術の古典的な美しさと、デジタル技術を使いこなしたスケールの大きさが両立している。
(☆☆☆★)

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1月19日(土)のつぶやき

2013年01月20日 | Weblog

橋下市長が桜宮高校の教員の給与をストップしたらどうなるか nabeteru.seesaa.net/article/314138… 権限ないくせにあるようなハッタリかましてたってわけです。バカバカしいのにもほどがある。


【本棚登録】『ペットのがん百科―診断・治療からターミナルケアまで』 booklog.jp/item/1/4385365…


この寒い中、チューリップの芽が出てきた。


野良犬の原作が黒澤明の名だけですか。菊島隆三はどうした。