白人至上主義の若者たちの無知蒙昧ゆえの不気味さ、残虐さに胸が悪くなる。
白人であっても面白半分に石打ちで殺してしまうのだから、2000年も前のキリスト以前の精神世界に近いのではないかとすら思わせる。
サム・ウォーターストン扮する検事が彼らのリーダーによる扇動を殺人教唆として告発するのと、弁護側があくまで言論の自由の範疇であり合衆国憲法によって守られるべきだと主張するのとが対立する。
検事の反論が、言論の自由は相手の主張を聞くこと、意見を交換することを前提にしているのであって、異なる意見違う立場の者たちを殲滅することは入らないと陪審員を説得するあたり、緊迫感充分。ウォーターストンが役者としての見せ場をここぞとばかりにものにしている。
ただし、検事の主張も正義感のあまりいささかこじつけじみた感が残るのも確かで、相変わらずこのシリーズは単純に割り切れない。どう判決が出ようと憎悪は消えないというのも重い。
警察がネオナチのパーティに潜入捜査させるのに、いかにも白人という感じの警官があまりいないというあたり、警察というのはマイノリティの比率の高い組織でもあるのがわかる。
HATE- LAW & ORDER シーズン 9, #10 / [ シリーズ通算 #191]
ゲスト:アンナ・ベルナップ「CSI:NY」
脚本:ルネ・バルサー
監督:コンスタンティン・メイクリス