あれと同様、冷蔵庫が重要な役割を果たしたりする。
室内の中ほどに段差があるのが盲目のヒロインにはジャマになるのが微妙なサスペンスを出しているが、決定的に生きる瞬間というのはないのはちょっと淡白。
テラスの扱いに舞台的な緊張感と映画的な広がりの両方があってなかなかいい。高所のサスペンスにも使えて、ウィリアム・フリードキン監督の「真夜中のパーティ」でもテラスをうまく映画と舞台をつなぐブリッジに使っていたな、と思い出す。
あとヒロインの動きに合わせてカメラがパンすると思いがけないものが自然にフレームに入ってしまうといったカメラワークや、テラスと室内の映像分割などに監督のジョゼフ・ルーベンは腕を見せるが、ときどき小道具か誰から誰の手に渡ったのかはっきりわからなくなったりするのは雑。
きちんとルーティンと基本を踏まえていて、細かいアイデアに工夫をこらしているので飽きないが、それ以上の徹底的な緊密さや緻密さにはやや欠ける。
オープニングのアフガンの従軍カメラマンであるヒロインの姿を見せ、人形の目が開くと爆発するテロに会うというのを何か象徴的に扱っているが、全体の統一と集中がものを言う構成なので、ちとジャマ。
ヒロインが撮った写真が大きなパネルにして飾っているが、誰が撮ったのか良い出来。こういうところをちゃんとしているのは嬉しいし、ただ飾ってあるだけではないのもいい。
失明してあまり時間が経っていないという設定のせいか、ミシェル・モナハンの演技はそれほど目が見えないのを強調していない。それで別にかまわないと思う。
マイケル・キートンがかなり老けました。
(☆☆☆★)
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