宣伝で内容を一切明かさなかった効用というか、それで客が離れたらしいのだが。
エリート教育というか、主人公が初めからリーダーとして特別に育てられるというモチーフ自体、かなり日本的な教育とはかけ離れている。
当人が周囲につぶされないために臨機応変にさまざまな戦略を自分で考えるあたりがおもしろいし、予想できない事態に直面した時の対応力を問われるという点で、原作が実際の戦略にたずさわる人たちの一種の教科書になっているというのもうなずける。原作読んでみよ。
単純な成長物語ではなく、目的が初めからきわめて限られていてでその目的そのものに批判的であることは許されないこととの葛藤が視覚的なクライマックスに後に来る。意外なくらい重い複雑な後味を残す。
クライマックスで、やたら高度になったCGが現実感覚との垣根を取り払ってきていることが強烈なアイロニーとして効いてくる。
(☆☆☆★★)
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映画『エンダーのゲーム』 - シネマトゥデイ