しかし業界の内部とはいえ転職するのに前の職場の上司の推薦状がなければいけないとは、むしろ日本より窮屈ではないか。
会話に「ヒマラヤ杉に降る雪」「鬼ママを殺せ」といった必ずしも有名ではない映画がちょいちょい出てくる。後者は「見知らぬ乗客」のコメディ版リメークで、実はこの「モンスター上司」そのものが交換殺人もののバリエーションになっていて、三人に合わせて上司も三人になっていているからそうできるわけだが、単純な交換だと一人余るわけで、その後の処理がちょっとバランスよくない。
笑わせ方とすると下ネタ先行で、「九時から…」みたいな犯罪?計画とその脱線ぶり構成の緻密さといったものはあまりない。
上司役のほうがケヴィン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、コリン・ファレル、さらに殺し屋(?)役がジェイミー・フォックスと主役三人より格上。スペイシーは会社員をやってサマになる役者で(尊敬している俳優がジャック・レモンというのもらしい話)憎たらしさがリアルだけれど、終盤嘘っぽくなるのが残念。
(☆☆☆★)
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